改正まちづくり三法で大牟田は?
「あそこにはデオデオ、あそこはユニード、SANEI、井筒屋、エマックス、各店舗となる大型店が次々撤退して、商店街は、てんぷらのエビが抜けて衣だけになった。」大牟田市全市商店連合会の吉岡会長が話されます。新栄町商店街の一角に立ち、一回り見渡しただけでも、その空き地となった空間や残された建物に、商店街の嘆きの声がこだまするようです。
大牟田市の中心市街地商店街が、ゆめタウンの出店で致命的な打撃を受け、さらに、もっと大きな波に今、飲み込まれようとしています。岬地区へのイズミの出店です。22万平方メートルの広大な土地に、延べ床面積7万5千平方メートルのシネコンを伴った店舗の出店計画が進められています。
大牟田市側としては、2500人の雇用と2億7千万円の税収(イズミ発表)による経済効果は「千載一遇のチャンス」の計画と歓迎しています。一方、地元商店街は、雇用はバイト中心で正規社員は限られ、固定資産税を考えれば、商店街衰退で結局プラス効果は大きくないと反論しています。
大牟田市は議会などの同意も確認し、すでに、県に対しての土地利用計画変更の手続きを行っています。地元の自治体がGOの判断をすれば、県はそのままOKを出してきました。ところが、ここにきて事情が変わりました。国が改正まちづくり三法を成立させ、郊外店の出店についての一定の歯止めをしようと方針転換したためです。このため、今回の大牟田のケースで、県は、都市計画審議会での審議を経て判断されることになりました。
今回のイズミの出店は、有明海沿岸を結ぶ高規格道路が08年に一部完成するのに合わせたものです。すでに予定地のすぐそばに大牟田IC付近があり、まさに「沿岸道路はイオン道路」(吉岡会長)となっています。商圏規模は南筑後地区全体に拡大するが予想されます。そこで、大牟田市周辺の商店関係者が、そろって県にイオン反対の要望書を提出するなどこれまでにない動きとなっています。
福岡県の麻生知事は、国の方針に同調し、郊外店出店抑制の方針をいち早く打ち出しました。果たして、大牟田のケースをどう判断するのか?先日の記者会見では、明確な考えを示しませんでしたが、難しい判断をしなければならなくなったことだけは間違いありません。
この動きについては、6月3日の「九州経済NOW」で取り上げます。