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2007年05月30日

息をのむ幽玄の世界-柳川御花・松濤園薪能

お能を始めませー能奉行船で舞台に乗り付けた柳川御花立花寛茂会長によるご挨拶から「柳川御花・松濤園薪能」が始まりました。
国の指定名勝である松濤園の池の上に特設舞台が組まれ、時間が経つにつれ、囲む松明の明かりが鮮やかになり、舞台は200年以上の古木並ぶ松林に溶け込んでいきました。
入水で戦いの世に生きることを拒んだ平重盛の子清経が妻の枕元で戦の非情さを語る能「清経」では梅若六郎さんのシテ(清経の霊)役の姿、響き渡る笛、鼓・・・舞台に立てられた天を指す四隅の柱で結界を作り上げているようにさえ見えました。
およそ800人の観客が幽玄の世界を堪能した松濤園薪能…福岡県西方沖地震の復興記念、御花改修記念として行われましたが、是非また開催してほしいです。

2007年05月27日

『明日はわが身』高杉良からのメッセージ

製薬業界を舞台に組織の冷酷さを描いた高杉良さんの『明日はわが身』を一気に読みました。
大手製薬会社の若手エリート社員が、派閥抗争に巻き込まれ、営業部門のプロパーへと左遷されます。そして営業先の医師の横暴さや、患者を軽視するゆがんだ医療現場を目の当たりにします。ついには、激務から健康を害してしまい休職を余儀なくされ、会社が冷たく退職を促すという組織の非情さを描いています。
この小説は、高杉良さんが1977年に発表した二作目で、当時、製薬会社の営業担当と位置付けられていたプロパーさんは、医師に対する過剰接待が問題となり、その後MRと名称を変更、専門性を持つ仕事として資格試験を行うようになっています。しかし、その立場がどの程度改善されているのかは、わかりませんが…。
ところで、この作品で主人公は輸血が原因の血清肝炎となりますが、高杉さん自身も患った急性肝炎の経験をもとに書かれています。銀行などの大組織ならば、大病すると同期のトップグループからは確実に外され、患者仲間には会社を辞めざる得なくなった人も…入院中は、まさに明日はわが身ということをかなり考えたといいます。
昔は終身雇用がちゃんと守られ、まだどこかサラリーマンにも余裕がありましたが、若いワラリーマンを見ていても、働きすぎで、傍目から見ていても「大丈夫かな」と思うと高杉さんはいいます。
「サラリーマン受難の時代ですが、なんとか皆さんを維持してがんばっていただきたいですね。」と巻末インタビューでサラリーマンへのエールを送っています。
30年たった作品ですが、そのリアリティがなおさら感じられる高杉さんの本質を描き出す力に、心動かされました。

『明日はわが身』(07年新潮文庫)巻末付録・著者インタビュー「その頃の“わが身”」も収録

2007年05月26日

セカンドライフにTVQが!?

博多に、そして福岡・ドームの前にモニ太の大きな看板がついた社屋が建てられた…今週の九州経済NOWの特集「セカンドライフ」に合わせ、おそらく全国の放送局の中で一番早い開局?しました。
セカンドライフは、オンライン上に構築された3D仮想空間のサービスで、会員登録をしたユーザーは「アバター」と呼ばれる自分自身のキャラクターを持ちことができます。そして、仮想空間に作られたまちを自由に動き回り、出会ったアバター同士でチャットなどの会話をするなど新たなコミュニケーションの世界、コミュニティが創造されています。セカンドライフ内の専用通貨「リンデン・ドル」で経済活動をすることができ、アメリカドルとの両替も可能なことが特徴です。画期的なシステムを作ったのはアメリカの会社リンデン・ラボ社で、03年6月からサービスを開始し、12月には300万人、現在は600万人で、日本人はそのうちの1%程度といいます。
コメンテーターの日経新聞の関口和一論説委員は、爆発的に広がったmixiと違いは、アバターを使った匿名性で、仮想空間の中で自由に自分の気持ちが表現できるので、潜在的な需要を探るマーケティングツールとしての有用性が高いと話しています。アバターのファッションアイテム、3Dを活かした家具のデモ、不動産業者がマンションのモデルルームとしてと、企業の活用は広がりそうです。
九州でセカンドライフへの出店をサポートしているレゾナントソリューションズの首藤完治社長は、日本語版が出される夏以降に、日本でも本格的な普及となると見ており、九州での企業・自治体の進出を支援したいとしています。関口論説委員はバーチャル空間で九州の魅力をアピールすれば、実際に行って見ようという人が増えるはずと地方ならではの活用の可能性に触れていました。
空間を自由に移動してショッピング、コンサート、世界の人と気軽に会話を楽しむ…なんのしがらみもなく「アバター」として自分が思う夢の生活が実現できるセカンドライフは、今現在では、格差社会を解消できる唯一の方法でしょう。

2007年05月25日

環境問題「事実を知る」ためには…?

地球温暖化などの気候変動の影響で、今後50年のうちに、ピーナツやジャガイモなどの野生種が大量に絶滅する恐れがあるとする報告を、国連機関などで作る国際農業研究協議グループがまとめた。(読売新聞)ーこのような地球環境をめぐる連日のニュースは、目に見えるような形で迫る危機を伝えています。
そんな中で、今売れている『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』という名古屋大学大学院武田邦彦教授の著書を読みました。地球環境の問題では、「世界の平均気温が上昇すると南極や北極の氷が溶けて海水面が上昇する」といわれていることについて、南極大陸の気温はむしろ低下してきていることや、北極のように水に浮いている氷が溶けてもアルキメデスの原理で水面の高さは変わらないというマスコミには出てきていない点を指摘さてれいます。このほかにも、ペットボトルのリサイクルの問題、猛毒といわれるダイオキシン問題など環境について、これまで常識と思って取り組まれている施策に疑問を投げかける衝撃的な内容で、環境問題の本質をとらえようとしています。
武田教授は「事実を知る」、それがまず第一歩と書かれていますが、マスコミにいる人間として、当たり前と思うことを見直さないといけないという警鐘となる一冊でした。
『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』洋泉社2007年

2007年05月23日

いのちのまつり~光り輝く生命の物語

オバアにわかるのは、数え切れないご先祖さまが誰ひとり欠けても、ぼうやは生まれてこなかった、ということさぁ~TVQアナウンサーが活動をしている読み聞かせで『いのちのまつり』を福岡市立千代小学校5年生に読みました。
『いのちのまつり』は、唄ったり、踊ったりしながら先祖供養のお墓参りをする沖縄に来た男の子が、バアヤとの会話を通して、命のつながりを知るという内容です。
「自分に命をくれた人、2人」「お父さんとお母さんに命をくれた人。4人」「おじいちゃんとおばあちゃに命をくれた人、8人」・・・数え切れないご先祖さまの数に「じゃあ、100万人くらい?」とぼおやが聞くと、オバアは「どうだろうねぇ~。ずっと宇宙のはじまりから、いのちはつづいてきたからねぇ~」と話して冒頭の言葉を言います。
命の大切さは今の自分だけでなく、これから先の生まれてくるであろう命へのつながりっていることを絵本がうまく表現しています。途中ご先祖さまの数をたずねるところでは、たくさんの顔がかかれたページが広げられるようになっていて、子どもたちはおおっと驚きます。
生命の旅は終わらない。いや、終わらせてはいけないのである。「無限」という可能性を秘めて、今、光り輝いている生命の物語を一人でも多くの人々に伝えてほしいと作家はメッセージを記していました。
いろんな機会で読みたい一冊です。

『いのちのまつり』サンマーク出版 作:草場一壽 絵:平安座資尚


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