« 2007年07月 | メイン | 2007年09月 »

2007年08月10日

新聞は今…西日大森久留米総局長に聞く

今、どの新聞にも訂正・おわびが多い、リストラの中、校閲強化の動きもあるー西日本新聞の大森伸昭久留米総局長のお話を聞きました。
大森久留米総局長は、文化部次長時代は、月1回の科学面で、台風のメカニズムや恐竜化石の発掘法などわかりやすく解説され好評、編集センターの部次長で、1面から社会面・運動面など紙面づくりに取り組まれており、現在は、久留米市の六ツ門大学で時事問題を講演されたり、筑後川シンポジウムでのパネリストや、久留米市の障害者フォーラム、柳川の安全まちづくりシンポのコーディネーターと大活躍です。
「新聞は今」というご講演の中で、大森総局長は、どの新聞を見ても、最近、おわびや訂正が多くなっているという話をされました。今、新聞記者は、人員削減や作業効率アップのため、取材先から直接ネットを使って直接原稿をデスクに送ってくるシステムを取っています。そうした中で、しだいにデスクと会話をしなくてもすむ、顔を合わせなくてもすむようになっているといいます。そのことにより、記者の思い込みなどによる誤りを見抜けず、デスクをパスしてしまうことが出てきているといいます。
少子高齢化により、人口減少、さらに若い人の新聞離れ、伴侶を亡くした老夫婦も新聞を読まなくなる…と発行部数・広告収入が減少傾向にあるそうです。厳しい状況下でリストラを進めているけど、校閲については強化してもいいのではないかという動きさえ出ているといいます。
人と人が顔を合わせ言葉を交わす時間の大切さ…のりしろとなるほんの少しの余裕がいろんな仕事でも求められているようですね。

2007年08月09日

8・9に今年も天神から平和の波を

長崎のマスコミでかつて働いていた人たちや、現在福岡の支社にいる長崎の放送局の人たちで、「PeaceWaveTenjinFromNAGASAKI」の特別番組を天神エフエムで行いました。今年で3回目となる特別番組は10時30分に始まり、原爆投下時間の11時2分をはさみ、正午までの約90分でした。
長崎から福岡に来て、8月9日に思う「違和感」が企画の始まり。長崎では11時2分に、平和記念式典に出席している人のみならず、働いている人は仕事の手を止め、街で歩いている人は歩みを止め、路面電車に乗っている人も電車の中で、静かに目を閉じて、長崎の鐘が鳴り響く中、祈りのときを迎えます。
ところが福岡では、8月6日の広島原爆の日が終わると、9日のことは話題にもならず、11時2分という時間も雑踏の中に飲み込まれていきます。長崎と福岡では違う時間がこのとき流れている、この違和感こそ私たちは大事にしないといけないと、ラジオ番組の中で、朗読や音楽を流し8・9のことに気付いてもらおう、いや自分たち自身のこの「違和感」が消えないようにしようと続けています。
去年からの長崎市の平和記念式典レポートに加え、今年は、北九州市小倉北区の勝山公園で行われた平和記念式典からのレポートも入りました。小倉は原爆投下第一目標でしたが、当日上空に雲が広がっていたため、長崎に飛行機が向かったという歴史的な意味があります。その地からの声も届けられたことは、さらに多くの方と問題認識を共有できることにつながったと思います。
ところで、放送の間、原爆被害の写真ポスターをスタジオ周りに掲示していました。スピーカーから流れる原爆の詩の朗読の声と、その写真ポスターに、通りがかった4人の若者のひとりが、ああ今日は長崎原爆の日ねと言いながら歩いていく様子を偶然見かけました。立ち止まりさえもしない一瞬のできごとでしたが、今年もやって良かったという気持ちが湧き上がってきました。
暑い太陽、せみしぐれ…62年前のあの日のことをあらたに胸に刻みました。

2007年08月08日

日本の医療改革に警鐘「シッコ」

仕事中、事故で指2本切断の中年大工に医者が聞く「薬指をくっつけるのは1.2万ドル。中指は6万ドル。どっちにしますか?」安い方を選んだ大工に、中指はないーアメリカには、保険に加入しない市民が4700万人もいます。また、加入者が過去にある病歴を隠していたと専門の担当者を送りつけ、断固として保険料を払わない保険会社の存在があるといいます。国民皆保険制度のないアメリカで起きている問題をマイケル・ムーアが映画「シッコ」(sicko=ビョーキ)で取り上げました。
マイケル・ムーアは、02年に銃社会に切り込んだ「ボウリング・フォー・コロンバイン」でアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞、そして04年は「華氏911」でブッシュ大統領に突撃、カンヌ国際映画祭最高賞パルムドール受賞、世直しドキュメンタリー映画でその名を世界に知れ渡させています。
今回の企画は、ムーア自身が手がけたテレビ番組で臓器移植をめぐり保険会社と闘っていた男性と取り上げ、医療費を勝ち取ったことがきっかけで、06年2月、ウエブサイトで「保険会社とトラブルになったことがあるか。保険がないためにどんなことになったか。病院は医師は、いかにあなたの治療を行わないように画策したか。」と呼びかけたところ、1週間で2万5千通のメールが送られてきたといいます。
クオリティの低い保険で、病気の自己負担額を払いきれなくなった夫婦が、自宅を売り、娘夫婦に厄介なる無念さ、保険を失うと薬代を払えないため、健康保険維持のためだけに働く老人の悲哀、骨髄がマッチして移植により救われるはずの夫が保険会社の保険料不払いで手遅れになってしまった怒り・・・
多くの実例を積み上げながら、ムーア独特の力を持つものへの糾弾していく手法は健在で、保険会社・政治家による国民皆保険制度への抵抗として刃は向けられています。
この映画を観て、当然日本の医療制度について、考えざるをえませんでした。アメリカのように医療を民間にゆだね、市場主義を導入する方向は正しいのか?日本の「医療制度改革」では高齢者に、自己負担の引き上げ、ホテルコスト負担などをより重い負担を行い、後期高齢者にさえも保険料を徴収するようになります。「保険外併用療養費」創設、実質的な混合診療の解禁は、公的保険外の自費部分も拡大され、営利主義的な要素が医療の現場で色濃くなり、金があるかどうかで日常的に医療差別が起きる懸念が指摘されています。
今月下旬からの日本での公開、どんな波紋が広がるのか注目したいです。

2007年08月07日

西日本初の取り組み「ジョブシャドウ」

影のごとく社員についてまわる生徒、人がしている仕事を見るのではなく、仕事をしている人を見るー福岡市立福翔高校の生徒が、富士ゼロックス福岡で「ジョブシャドウ」を行いました。会議室に52組の高校生と社員が座り、まず自己紹介。社員の名刺を緊張しながら受け取った生徒は、清水校長先生が全員に3枚ずつ作ったという名刺を大事そうに渡す姿も。そして、それぞれ職場に移動して「ジョブシャドウ」が始まりました。
職業意識涵養プログラムといえば、「会社見学」や「インターンシップ」があります。しかし、「会社見学」は仕事の表面しか見えなかったり、「インターンシップ」は一定期間協力する会社の負担が大きかったりします。「ジョブシャドウ」は、文字通り、生徒が「影」のごとく社員についてまわり、仕事をする人の背中を追いかけます。仕事は人が動かしているということが実感できるのが特徴です。ジュニアアチーブメントという世界最大の経済教育NPOのプログラムの一環として行われました。(日本での初の支部が九州支部で、7月から福岡に拠点が置かれています)
富士ゼロックス福岡での「ジョブシャドウ」では、顧客との電話でのやり取りや、営業のアポ取り、提案書の作成、打ち合わせと普段行われている業務を真剣に生徒がメモをしながら見ていました。
富士ゼロックス福岡の黒川光憲社長は、個性的な人、ほかの誰にも負けないものを持っている人、そうした自信に輝いている人を採用したいと話していましたが、職場でいきいきと動きまわる社員のみなさんの影となった生徒たちは、そうした輝きを感じ取ったのではないでしょうか?

TVQ九州放送トップへ