スマートエイジングへ学習療法を
要介護の高齢者に簡単な読み書き・計算の学習療法がもたらす「経済効果」を、介護保険費用の削減という視点から試算すると、一人当たり年間約10万円(介護保険支給額抑制分約9万円、同個人負担抑制分約1万円)と試算できますー東北大学・川島隆太教授が大川市での学習療法実践研究発表会(主催 社会福祉法人道海永寿会)で話をされました。
大川市の永寿園で6年前に始まった簡単な読み書き・計算による学習療法は、現在全国670の施設で導入されています。(うち九州は180施設)昨年オーストラリアの国際認知症ケア学会で、山崎園長が、学習療法による利用者のADL(日常生活動作)の改善などについて発表し、「参加者の反応が自分たちの予想をはるかに超えて、興奮しているので驚いている」(主催者)と言わしめるほど、その成果は世界からも注目を集めています。
研究発表会では、永寿園や、ほか九州での導入施設での事例報告が行われました。
総括で、川島教授は、脳の可塑性、脳の壊れた機能は適切なリハビリで取り戻すことができることと、
簡単な読み書き・計算や、スタッフとのコミュニケーションがその方法となりうると、これまでの取り組みの成果を確認。さらに、学習という手段を通して利用者と向き合う時間を持つ介護スタッフが、施設介護での目標とされる「個への対応」への可能性、突破口を見出し、それが施設全体のサービスの向上へとつながっていることを強調されていました。
アンチエイジングという言葉がありますが、加齢は悪いことではありません。より良く年をとること、ポジティブな生き方をしてもらう・・・私はスマートエイジングという言葉を使っていますー川島教授は、スマートエイジングの手法としての学習療法を、今後、国へもその成果を訴え、さらなる普及をはかりたいと話していました。