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2008年03月16日

カラ売り屋ー日本経済の闇?を読む

社畜野郎が・・・北川はどぶ鼠色のスーツを着た男のがっしりした背中を睨みつけた。ああいう知性も、志も、道徳観もない奴らが、コーポレート・ガバナンスを破壊するんだ。-黒木亮さんの『カラ売り屋』を読みました。この本は、「カラ売り屋」「村おこし屋」「エマージング屋」「再生屋」の独立した4作品が収められています。都銀ロンドン支店から証券会社、総合商社英国現地法人プロジェクト金融部長を経て作家となった黒木さんならではの興味深いテーマ、話の展開でした。
カラ売り屋というのは、企業のバランスシートを徹底的に読んで、粉飾決算や悪材料を隠していそうな会社を探し出し、株を借りてきて、まだ高値にある市場価格でカラ売りをします。そして企業の悪い材料を見つけ出して公表し、株価が下がったところで買い戻し、その差益をかせぐという、株を上げるのではなく下げることで儲ける商売です。実質赤字決算で、キャッシュフローがマイナスという東証二部の建設会社をカラ売り屋が攻める内容です。
「村おこし屋」は、『特別保証制度』、『ふるさと基金』、『過疎債』、『合併特例債』などの国の施策にたかる利権者の取りまとめをする人物を描いています。 著者は、福岡県内で、実際に似た事件が起こった場所を取材したといいます。また、「再生屋」は九州のある温泉ホテルをモデルにしていて、地域ならではの人の動きが見事に表現されています。
とかく、経済小説は、その難しいシステムなどの説明にとらわれてしまうことが多いといわれますが、この『カラ売り屋』をはじめとする4作品は、リアルな経済舞台で動き回るキャストたちが生き生きと描かれていると思いました。
『カラ売り屋』(講談社)2007年

2008年03月10日

皇后陛下歌集「Se-oto」 竹本忠雄先生の話

被爆五十年広島の地に静かにも雨降りそそぐ雨の香のしてー両陛下が「戦後50年慰霊の旅」を発意され、長崎、広島、沖縄、東京大空襲跡をめぐられたとき、皇后陛下が読まれました。
教師の技量を磨こうと活動する師範塾の特別講演会で、竹本忠雄先生のお話を聞きました。竹本先生は、筑波大学名誉教授で、日本の文芸評論家、フランス文学がご専門です。20世紀の代表作家でフランス初代文化大臣のアンドレ・マルローとの親交で知られており、フランス政府から「文芸騎士勲章」、コレージュ・ド・フランスから「王室教授章」を授章されています。
東京大空襲の3月10日、東京深川で国民学校の卒業を2週間前に罹災し、九死に一生を得た、思いの深い日との話しから講演が始まりました。
竹本先生は、フランスにあって武士道や禅、神道、和歌など日本文化の世界的使命を語り、フランス語訳の皇后陛下歌集『Se-oto』を出版されています。1997年4月、皇后のご成婚以来の詠草367首を年代順に収めた「瀬音」は、皇后陛下の品格の高い、真摯で優しい人柄のにじむ歌集です。
誰もせめることもない、無私、思い及ばざる気高さ・・・と竹本先生は皇后陛下との面会の様子を語られていました。
「瀬音」の出版された1997年10月20日のお誕生日に、記者会見で、「最近の社会情勢で気がかりなことをお聞かせください」と尋ねられ、皇后陛下は次のようにお話になられています。
「現在の問題でも,日本の過去に関する問題でも,簡単に結論づけることが出来ず,様々な見地からの考察と,広い分野の人々による討論が必要とされる問題が数多くあります。複雑な問題を直ちに結論に導けない時,その複雑さに耐え,問題を担い続けていく忍耐と持久力をもつ社会であって欲しいと願っています 」

2008年03月09日

進む!子どもの村福岡構想 総決起大会

福岡市の吉田市長が「子どもの村」の建設地を今津地区に決め、市有地を貸与することを初めて明言しました。
虐待や育児放棄などで実の親と暮らせない子どもたち3-4人を、専門の育親(いくおや)が一緒の住まいで家族として暮らし、そうした住宅を隣接させて村をつくるというのが子どもの村です。
児童養護施設での専門性と、里親の家庭的な雰囲気と、両方の良いところを取り入れた新たな形態として注目されます。子どもの村の敷地には、育親をサポートする村長さんの住宅も建てられます。
建設費はおよそ1億8千万円、支援企業などを中心に寄付によって賄います。
今日は支援企業などによる総決起大会、そして土地の発表と、この構想が大きな節目に到達した大事な日となりました。この運動を地道に進めてこられたみなさんに敬意を表します。本当に良かったです。
これからの課題は、国がやっと重たい腰をあげようとしている児童養護問題の施策に、この子どもの村の取り組みがどう位置づけられるか、具体的には、育親や村長さんの手当て、村の運営費などがどこまで公費補助されるのかということになります。福岡市としてもバックアップを表明してますが、市有地を無料貸与でなく、有償にしているあたりの弱腰さが少し不安です。
児童養護問題での情報発信の地として、またこれまでの施設や里親のみなさんの努力をうまくいかしていく先進的な取り組みとして、あらためて期待します!!

2008年03月08日

求めないーすると・・・のんびり週末を

去年出版されて、大反響を呼んだ『求めない』。著者の加島祥造さんは、60歳代半ばで、信州・伊那谷ののどかな里山に居を求めて、今年85歳、自然な暮らしの中で思索活動を行っています。
求めないーすると楽な呼吸になるよ
求めないーすると自分のセンターが見えてくる
求めないーすると自分に本当に必要なものはなにか分かってくる
加島さんを紹介する記事を読み(「はなまるげんき」2月第8号)、その作品のままの人柄・生活が想像できると思いました。
毎日の起床時間を尋ねられると、「目が覚めたとき」と答え、ベットから出ると、一服のお茶を立て、軽く自彊術の体操をされるそうです。
「無理に何かを吸収しようとしなくていいんだよ。それよりも、自分が面白いと思うことを見たり体験したりすれば、肉体も脳も自然といきいきしてくるだろう。感情をともなう知識は、何度でも生き返り、あなたを助けてくれるんだよ」
座右の銘は楽な姿勢・・・心に正直に生きる大事さをあらためて、加島さんの『求めない』に軽く肩を叩かれた気がしました。
『求めない』(小学館)

2008年03月07日

転換をせまられる航空政策と格安運賃

福岡から羽田へソウルを経由して3000円ー航空アナリストの杉浦一機さんにがマンガのような世界が起きようとしているというお話をお聞きしました。
杉浦さんは、航空分野で利用者サイドに立った論評がモットー。顔が知られると、航空会社が自分に対して普通の客と違う扱いをされる可能性があるので、あえて東京のテレビには露出しないという方です。
イギリスを中心に世界の主要エアラインで構成されるIATA国際航空運賃協会は、地域別の運賃会議で国際運賃を決めてきました。国土交通省は、これまでIATA運賃の70%引きを下回る運賃は認められないとしてきており、海外のエアラインが日本で格安運賃を設定することは出来ませんでした。
しかし、世界の自由化の流れを受け、08年度から撤廃することが決まり、今後は各エアラインが自主運賃を設定できるようになるといいます。
ところで、世界の格安社はどれくらい安い運賃設定をしているのかというと、アメリカでは、ロサンゼルスーオークランド(東京ー大阪に相当)が3500円、ロンドンーアムステルダム(札幌ー福岡に相当)3200円だそうです。
日本で格安社といわれているエアラインは、世界からは格安と認められないレベルです。
日本では、時間や運賃を考えて、新幹線と航空機のどちらを使うかというのがよく話題になりますが、格安社は対鉄道というより、対バスや自家用車という料金レベルでのビジネスモデルが確立されているということになります。
日本の空の垣根が取り払われる日・・・福岡から羽田に行くのに、ソウルを経由した国際線だと10分の1という料金で行けるということがあるという格安時代が来るのか?
成田の完全民営化による上場と、その資金による関空と空港整備特別会計の赤字を埋めることによる着陸料や燃料税、ターミナルビル使用料などの引き下げが実現すれば、羽田再拡張での2010年が大きな動きになると杉浦さんは見ています。

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