2012年11月17日
JA糸島
福岡県糸島市志摩小富士14-34
【お問い合わせ】092-327-2740
【JAきっての発明家‘糸島のDrコトー’】
糸島ですっかり名物となった焼き牡蠣。
期間限定の牡蠣小屋には多くの客でごったがえす。
牡蠣1個のうち、70%を占めるのが殻。
膨大な量の殻を、お金を払って廃棄処分していた。
JA糸島の古藤さんは、これに目をつけ、
牡蠣の殻を買い取り肥料にする「シーライム」の生産に成功。
捨てられていたものから資源を生み出した。
実はこの古藤さん、糸島ではちょっとした有名人。
生ごみを堆肥化させる‘魔法のダンボール箱’
「すてなんな君」や、鉢や植え込みを必要とせず
‘袋で栽培できる’「そんまんま袋畑」など、
オリジナルアイテムをいくつも作り出してきた。
いずれも、年間数千個が売れるヒット商品。
地域の人からは‘糸島のDrコトー’と親しまれる古藤さんだが、
全国のJAの中でも、こうしたオリジナル商品づくりに
取り組んでいる人は他にいないと、注目を集めている。
【実証実験に裏打ちされた自信作】
JAが展開する農業資材販売所「アグリ」。
作物栽培を生業とする人からアマチュアまで、
客は多岐にわたる。
販売と同時に、適切な栽培方法や肥料についての
相談に応えるのがスタッフの主な仕事で、
商品開発にまでなかなか手が回らないのが実情。
そのため、社内にも開発分野の整備が手つかずのまま。
糸島で生まれ育った古藤さんは、かねてから地域貢献を
念頭に掲げており、地元資源を利用した製品開発を
JAで取り組んできた。
新商品発案のアイデアにも増して
古藤さんが力を入れているのが、効果の実証実験。
販売所内に設けられた何種類ものプランター作物に肥料を投与し
効果を比較。
どんな材料をどんな割合で作るのか、年単位の時間を要する。
今年9月から発売を始めた新商品「よかよー土君」は、
まさにこれまでの集大成。ところてんの搾りかす、
塩をとったあとのにがり、牡蠣の殻、
増えすぎて厄介者とされていた竹、
すべて糸島地域で‘不要とされていたもの’を中心に
12種類の材料をブレンドし、ベストな成果を出せる割合を
はじき出した。
年間2万袋の売り上げ目標を掲げていた「よかよー土君」は、
既に1か月で4500袋を販売。
JA糸島管内の小中学校には無償で提供。
売り上げの一部は、北部九州豪雨の被災地に寄付している。