旅人の足跡


第84回(09年1月10日OA)
旅先:「福岡県柳川市」
旅人:木之元 亮
きらり九州めぐり逢い。2009年1回目は、歴史と人情あふれる水郷・柳川を、俳優の木之元亮さんが訪れました。

木之元さんが柳川を訪ねたのは19年前。掘割に浮かぶ「どんこ舟」は当時と変わらず、情緒豊かな景色が木之元さんを出迎えてくれました。そんな木之元さんの柳川の旅、神社でお囃子を練習する子供たちとの出会いからスタートです。聞けば5月に行われる沖端水天宮まつりのお囃子練習で、神社横の掘割に船を浮かべて舞台を作り、お囃子や芝居などを奉納するそうです。30年ほど前からお囃子は地元の子供たちが担当し、代々この伝統を継承。水郷のまちならではの神事に、改めて柳川の歴史と人情を感じた木之元さんでした。

さて柳川と言えばうなぎと川下りです。柳川限定の名物として今口コミで噂が広がっているのが、うなぎを使った「うなまん」です。香ばしい蒲焼きと蒸し饅頭の美味しさを合わせた地元のファストフードで、木之元さんも思わず笑顔!食べ終わったあと、木之元さんを待っていたのはお待ちかね、川下りです。掘割の乗船場から乗り込んで1時間。コタツで暖を取りながら水辺の景色を満喫!変わらぬ水郷の風景に魅せられた木之元さんでした。

柳川での出会いはまだまだ続きます。木之元さんが訪ねたのは古賀神棚店です。創業90年を超える老舗で、ご主人の古賀国昭さんは2代目の神棚職人。古賀さんによると戦前、柳川には20軒以上もの神棚店がありましたが、今では残り僅かになってしまいました。そんな古賀さんですが、実は全ての神棚の型を作ることができる数少ない職人で、去年、柳川市から技能功労者として表彰されました。匠の技を後世に伝えたい。伝統の技法をノートに記し続ける古賀さんに、職人の心意気と伝統を守り続ける難しさを感じた木之元さんでした。

さて今回の柳川の旅。いよいよ佳境です。木之元さんが訪れたのは柳川市三橋町の釈迦寺。総大理石づくりの大仏と友添住職と出会います。聞けばこの大仏。友添住職と親交のあるミャンマーの石材業者から贈られたもので作ったそうです。大仏に込めた願いは平和。友添住職は先の大戦で戦死した叔父や戦没者の供養を長年続けていて、日本兵の遺品を展示する資料館も開設しています。半世紀を過ぎても癒えることのない戦争の傷跡。大仏は決して戦争を繰り返してはならないという平和への願いを訴え続けていました。

友添住職と別れて木之元さんが最後に訪れたのが中島朝市です。江戸時代から続くとされる歴史ある朝市で、店舗と露天、合わせて70軒ほどの朝市に大勢のお客さんが詰め掛けていました。軒先に並ぶ新鮮な野菜やむつごろうといった有明海の魚介類が人気。木之元さんも朝市を歩いて、店の人やお客さんと楽しいおしゃべり!柳川を代表する笑顔と人情が息づく中島朝市。旅の最後に今年1年の元気を頂いた様子の木之元さんでした。


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