旅人の足跡


第90回(09年2月21日OA)
旅先:「福岡県みやま市」
旅人:寿一実
 今回の旅の舞台は福岡県みやま市。福岡県みやま市は、平成19年に瀬高町、山川町、そして高田町が合併してできた筑後地方南部の新しい市。訪ねてみると、そこには歴史と伝統、そして昔懐かしい風光明媚な景色が広がっていました。

 そんなみやま市でまず寿さんが出会ったのが、漁師の末吉茂喜さん。末吉さんはみやま市を流れる矢部川の漁師で、コイ捕りの名人でした。その漁法は川に潜って素手で捕まえる昔ながらの漁法!聞けば末吉さんのご先祖は立花藩のお抱え漁師だったとか!寿さんもコイ捕りに挑戦しましたが、果たして!?

 続いて寿さん。日本で唯一、樟脳作りをしている内野さんご夫妻と出会います。樟脳とは、クスノキから作られる天然の防虫剤で爽やかな香りが特長。今でも夫婦ふたりで天然の樟脳作りにこだわっています。化学合成のナフタレンが普及したことで、手間隙がかかる天然の樟脳づくりは国内では内野さんご夫妻だけとなりましたが、「作り方を知りたい人には教えてあげたい」と話す内野さん。ふたりの爽やかな人柄が、もしかしたら作り出す樟脳の爽やかな香りを形作っているのかも知れませんね。

 旅はまだまだ続きます。今度は寿さん、昔ながらの線香花火を作り続けている筒井時穂さんご一家と出会います。ご一家は日本でも数少ない国産の線香花火を生産していて、作業は家族総出。作り出す線香花火「スボ手牡丹」は、優雅ななかにも風情が漂う逸品でした!これからも「線香花火を作り続けて欲しい」と願う寿さん。幸いにも時穂のお孫さんが花火職人の道に魅力を感じているようで、日本の夏を彩る伝統花火も「しばらくは大丈夫かな」と少々安心した寿さんでした。

 さてみやま市の旅、いよいよ佳境です。寿さんが最後に出会ったのは早乙女姿の子供たち。子供たちは3月15日に地元の日子神社で奉納される「権現さんの御田植」祭の練習をしていました。「権現さんの御田植」は江戸時代に始まったとされる祭りで、田植え前に五穀豊穣を祈る伝統行事。ユーモラスな掛け合いと踊りが特徴で、寿さんも思わず参加!撮影現場は笑いに包まれていました!
 古くからの伝統が息づき、それを受け継いでいく子供たちの笑顔に出会った今回のみやま市の旅。寿さん、日本の伝統の良さ、そして人の温かさを改めて感じた旅となりました。


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