-
-
2021年9月4日
“宿泊プラスアルファ”で巻き返せ!
福岡発・新しいホテルのカタチ今回のぐっ!ジョブは、コロナ下の逆風の中、斬新なアイデアで巻き返しを図る福岡市内のホテルに注目。今年6月に日本で初めて開業した外資系ホテルや、IoT満載の最新鋭ホテル、さらに、客室を意外なことに活用してもらい稼働率UPに成功したホテルなど、目を見張る取り組みの数々が。単なる「宿泊利用」を超えた、ホテル経営の新たな戦略が見えてきた!
今年6月、福岡市中央区今泉に開業した「lyf Tenjin Fukuoka(ライフ・テンジン・フクオカ)」は、世界展開するホテルチェーンの日本進出第1号店だ。ターゲットは観光客ではなく、「起業家」や「クリエーター」たち。館内にシェアキッチンやワークスペースを置き、地元のインフルエンサーや企業に詳しいスタッフとも連携、滞在しながら地域や地元企業と交流してもらおうという狙いだ。すでに様々なワークショップやイベントが開催され、スタートアップやアーティストの多い福岡の街で、新しいビジネスやアートの発信拠点を目指している。
IoTの活用でホテルの無人化に成功したのは福岡市中心部に展開する「mizuka(ミズカ)」だ。顔認証のチェックイン・アウトをはじめ、すべての手続きをスマホやタブレットで完結!何かあった際に駆け付けるスタッフを近隣事務所に配置するだけで、施設内は全くの無人。感染対策と人件費の削減を両立している。この無人化システムを生かし、施設内に美容室を誘致し無人受付美容室をオープン。近く無人サウナもオープン予定だ。今後はこの無人化オペレーションシステムをほかのホテルにも売り込み、各地の経営難や廃業になったホテルの再興も視野に入れている。
いっぽう、2020年5月の緊急事態宣言真っただ中に開業した「ORIGO(オリゴ)」。いきなりの大ピンチに考え出したのが、客室をエステやマッサージサロンとして時間貸しする「シェアリング事業」だ。コロナ禍でエステ業界も大打撃を受け、店を構え固定費を支払うのが厳しい状態。エステティシャンにとっては、ホテルの客室ならば、ベッドやシャワーも完備しているうえ、施設費の負担が大幅に減らせる。ホテル側も空室を稼動させられるというWinWinのビジネスモデルだ。すでに加盟するエステティシャンは600人に達し、客室稼働率は70%にアップ。さらに、糸島市のドライフラワーショップと提携し、「映える」客室にドレスアップしたところ、泊まり女子会などの利用が増加!宿泊料の一部をドライフラワーショップに還元するという新たなビジネスモデルで黒字化に成功している。
【取材企業】
■lyf Tenjin Fukuoka(ライフ天神福岡)
[住] 福岡県福岡市中央区今泉1丁目2-13
[電] 092-753-8695
[HP] https://www.lyfbyascott.com/ja/japan/fukuoka/lyf-tenjin.html■無人ホテルmizuka(ミズカ)
運営会社:Hosty
[住] 福岡県福岡市博多区中洲4-5-6
[受付電話] なし
[HP] https://mizuka.co.jp/■ORIGO(オリゴ)
運営会社:Bulls
[住] 福岡県福岡市中央区天神3-3-20
[受付電話] なし
[HP] https://origo-hotels.com/