ぐっ!ジョブ!

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  • 2021年9月25日

    「もったいない精神」でブレイクスルー
    捨てるものから“お宝”を生む挑戦者たち

    今回のぐっ!ジョブは、廃棄物から価値あるものを生み出す、驚きの技術を特集!廃棄されたパソコンや携帯電話の基盤を“ある溶液”に浸けることで、純度の高い金をどっさり抽出する企業や、中身スカスカのウニに“捨てられていたあるもの”を与え、身がパンパンのブランドウニに変身させる水産会社。その結果、<海の砂漠化>とも呼ばれる磯焼け被害も解消!キッチリ儲けて社会にも貢献する、もったいない精神に満ちた驚きのビジネスに迫る!

    廃棄されたパソコンや携帯電話の電子基板から金などを取り出す、いわゆる“都市鉱山リサイクル”事業。基盤を高熱で溶かし、劇薬を使って金を回収するのが一般的なやり方で、自然の鉱石から金を取り出すより20倍は効率が良いと注目されている。
    ところが、北九州市の「アステック入江」は独自の“超エコ”なやり方で“金脈”を掘り当てた。同社が目を付けたのは「塩化鉄液」。金属は溶かすが金だけは溶かさないという特性を生かし、基盤を溶液に浸けるだけで純度99%の金を抽出!取り出した金は、基板の部品として再利用されたり、金メダルやアクセサリーに生まれ変わるという。さらに、塩化鉄液に加える鉄粉の比率によって、銀や銅、レアメタルなども取り出すことが可能に。加熱のための燃料も要らずCO2も出さないこの技術を生かし、同社はリサイクル事業の拡大を狙っている。

    一方、大分県国東市の水産会社「大分うにファーム」では、画期的な養殖事業が始まっていた。育てているのは海底の藻場を食い荒らして「磯焼け」を引き起こし、沿岸漁業に甚大な被害をもたらす「ムラサキウニ」だ。このウニは、自らが引き起こした磯焼けによって飢餓状態に陥っており、中身がスカスカで商品価値はゼロ。漁師にとっては駆除対象でしかない厄介者だ。
    同社の栗林正英社長は、このムラサキウニを漁師から買い取って陸上養殖を開始。わずか2カ月で身を15%も増量することに成功した!決め手となるのが、“食用コンブの廃材”を使った特製のエサ。これがウニの成長を促進しうま味もUP!ブランドウニ「豊後の磯守」として売り出すと、「有名産地の天然ウニに引けを取らない」「養殖だけに個体差が少なくて良い」と話題になり、大分県内の飲食店や旅館、福岡三越のレストランなどにも広がっている。
    栗林氏は「ウニを取る漁師、納品先の飲食店の輪を広げ、地域全体を巻き込んだモデルケースにしたい」と熱く語る。

    【取材企業】

    ■アステック入江
    [住] 北九州市八幡東区西本町3丁目1番1号
    [電] (093)661-1221
    [HP] https://www.astec-irie.co.jp/

    ■大分うにファーム
    [住] 大分県国東市武蔵町古市1033番地1
    [電] 0978-68-0102
    [HP] https://www.oita-uni-farm.co.jp/

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