今回は、新門司〜横須賀を結ぶ東京九州フェリーの豪華客船に注目！船内は、スイートルームはもちろんプラネタリウムや露天風呂、バーベキューガーデンも備えた、まさに洋上の巨大ホテル。だが実は、この豪華客船に隠されたもう一つの使命は“トラックごと運ぶ海上物流”にあった。ドライバー不足のピンチにあえぐ長距離トラック輸送を快適かつスピーディーな船旅で補いつつ、ドライバーの労働時間や燃料費、CO2排出量の削減にも寄与できる。“色々にやさしい”新時代の輸送路、それは海の上で広がりつつあった！

北九州市の東京九州フェリーは2021年7月、巨大高速旅客船「はまゆう」「それいゆ」を新門司〜横須賀間に就航させた。所要時間は約21時間。船内には吹き抜けのロビーをはじめ、露天風呂やサウナ、プラネタリウム、バーベキューガーデンなどホテル並みの設備をそろえ、老若男女、幅広い客層を狙う。だが、最大のターゲットは一般客ではなく実は「運送会社」。ドライバー不足解消のため待遇とコスト改善を進める業界各社は、トラックごと船で運ぶ“海上輸送”に注目し始めたのだ。フェリーを利用しても所用時間は陸路と同等、事故や渋滞に巻き込まれるリスクもない。その間、ドライバーは休息でき、労務時間、トラックの燃料代、メンテナンス費も削減できる。またフェリー1隻の積載能力はトラック154台分にも及び、CO2排出も減らせるといいことづくめだ。
現在、日本郵便や輸送会社も続々と利用を始めている。中でも冷蔵・冷凍輸送大手のランテック（福岡市）はフェリー専用のハイテクトレーラーを開発。トレーラーヘッドを切り離し、無人での大量海上輸送を始めていた！

【取材企業】

■東京九州フェリー
[住] 福岡県北九州市門司区新門司北三丁目1番地30
[電] 093-330-3000（新門司）
[HP] https://tqf.co.jp/

■ランテック
[住] 福岡市博多区古門戸町4-26
[電] 092-282-2331（代表）
[HP] https://www.runtec.co.jp/