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2022年12月3日
ギョギョッ!!海の底に“お宝”発見 「うんまか深海魚」大作戦
今回のぐっ!ジョブは、ギョッとする見た目の「深海魚」を人気食材に押し上げようという異色の取り組みに注目!これまで網にかかっても「売れないでしょ…」と人知れず廃棄されてきた深海魚だが、実は年中脂が乗っておいしい魚がいっぱい!そう語るのは深海魚を含む1200種もの魚を食べてきたひとりの海洋生物学者だ。漁師や水産仲卸、飲食店とタッグを組み、“おいしい深海魚”を広める研究者の一大プロジェクトにカメラが迫る!
舞台は、数kmの沖合に水深200〜400mの深海が広がる鹿児島県。江戸時代から続く底引き網漁でエビと共に網にかかるのが大量の深海魚だ。だが、パンチのある見た目から深海魚は食用として値が付かず、海の上で捨てられてきた。そこに目を付けたのが、鹿児島大学水産学部の大富潤教授だ。30年にわたる水産資源生物研究のかたわら、多種多様な深海魚の「うまさ」を実感し、その消費拡大に動き始めたのだ。目的は、年々減少する地元漁業者の所得向上。1年を通じて冷たい深海に住む魚は常に脂が乗っていて、売り物になれば漁業者にとっても安定収入につながるのだ。
2020年、大富教授は地元の水産仲卸や自治体と共に「かごしま深海魚研究会」を結成。飲食店を招き、深海魚の試食会と研修会を重ねた。料理人たちにそのおいしさを知らせると同時に、調理法・メニューをブラッシュアップ。さらに、鹿児島産の深海魚を「うんまか深海魚」と名付けてブランド化した。現在は、鹿児島県内や福岡市の50の飲食店のほか、大手スーパーにも販路を拡大。鮮魚市場でも1kgあたり1700円ほどで取引されるようになった。大富教授は、「さらに人気を高めて、鹿児島を『深海魚王国』として知らしめたい」と語る。
【取材企業】
■魚ト肴いとおかし
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■和食居酒屋 貴宝丸
[住] 鹿児島県鹿児島市中央町21-27 竹下ビル
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■田中水産
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