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2023年2月11日
合言葉は「そこに楽しさはあるのか!?」 攻め続ける長寿ブランド「チロルチョコ」
バレンタインデー直前にちなみ、福岡生まれの国民的チョコレート菓子「チロルチョコ」に注目。25円の単価で年間6億個以上売り上げる菓子業界の“小さな巨人”だ。発売から60年を経てもなお変わらない人気の陰には、「楽しさ」をキーワードに常に変化し攻め続ける企業努力があった!
チロルチョコが誕生したのは1962年。まだチョコレートが高級品だった時代に、たった10円で買える“子どもの味方”として一気に支持を集めた。以来、値上げやサイズアップなどの紆余曲折はあるものの、山型1つがお手頃(現在は1個25円)なのは変わらず。一方で、味のバラエティーは常に進化している。「コーヒーヌガー」や「ミルク」といった定番は守りつつ、つい手を伸ばしたくなる新しい味を絶え間なく投入。年に20種類以上の新商品をリリースしている。開発の基準は“楽しいかどうか”。「きなこもち」や「甘栗」、「カレーパン」など、チョコレートとはかけ離れた味を次々に発売。中には楽しさ・意外性に振り切り、「わさび」や「マツタケ」など味は???な意欲作もあるが、それもご愛嬌。予想外の「楽しさ」が、ファンを飽きさせない。
4代目の松尾裕二社長は、この「楽しさ」をファンと共有することに熱心だ。社内にSNS発信やファンとの交流を図る専門部署を設置。ファンミーティングなども積極的に開催し、ユーザーの意見を商品開発に生かしている。また、ベトナムに新工場を建て、海外展開の準備を本格的に開始。これまで培った味の企画力・再現力を生かし、アジア各国で現地の食文化にちなんだ“ご当地チロル”を販売しようというのだ。“国民的チョコ”は、今“アジアのチョコ”に進化しようとしている。
【取材企業】
■松尾製菓株式会社
[住] 〒826-8555 田川市大字川宮1191番地の1
[電] 0947-44-0715
代表取締役社長:松尾裕二
[HP] https://www.tirol-choco.com/
■チロルチョコ株式会社
[住] 〒101-0021 東京都千代田区外神田4丁目5番4号 亀松ビル3階
代表取締役社長:松尾裕二
[HP] https://www.tirol-choco.com/