北九州市の鳥町食道街で被災した店舗 営業再開した店主の思い 

2024/05/09 (木) 16:30

2024年1月3日、北九州市小倉北区の鳥町食道街で発生した火災。被害は36店、2730平方メートルに及びました。それから4カ月が経ち、5月8日再開した店舗があります。

和る KIZUNA 熊谷 光輝オーナー
「こんにちは」

オーナーの熊谷光輝さん。初日は酒蔵や酒の卸売り業者など、関係者を招きました。そこへ。熊谷さんが店を失っていた間、アルバイトとして働かせてくれた店主からのプレゼントでした。

2年前、鳥町食道街で念願のバーをオープンさせた熊谷さん。しかし、大切な場所を失いました。火災の2日後、熊谷さんはテレQの取材班にこんな思いを話してくれました。

木戸 優雅アナ
「魚町で(店を)やりたい?」

和る KIZUNA 熊谷 光輝オーナー 
「やはりこの辺にいる客とあまり離れたくない」

それから4カ月後、熊谷さんの姿は、同じ魚町にありました。願っていた通りこの町で、新しい店舗を見つけたのです。この日は、椅子や冷蔵庫などを店に搬入。階段を使っての重労働ですが、再び魚町で店を開く喜びにあふれていました。

和る KIZUNA 熊谷 光輝オーナー
「僕が北九州・小倉という土地にこだわりがあるが、生まれ育った街なので、そこで商売をして還元できたらいい」

そして昨夜。午後8時を過ぎると客も増えました。対面で人と話せるバーが、大好きという熊谷さん。被災した後、他の店にアルバイトで雇ってもらったり、カンパを受けたりと多くの支えがあったといいます。

和る KIZUNA 熊谷 光輝オーナー
「みなさんのおかげというというところで感謝しかないですね。こうやって店ができているのもそうですし、来てもらっているのもやっぱり感謝しかないですね」

竹中康二さんは、鳥町食道街で小倉焼うどん発祥の店、「だるま堂」を守ってきました。火災の翌日、現場を視察した服部知事に思いを伝えました。

だるま堂 竹中 康二店主
「小倉の食文化をつくってきたところだからここをなんとか残していきたい」

それから4カ月。

だるま堂 竹中 康二店主
「1日も早く、焼うどん発祥の味というのを多くの方に食べていただきたいという思いでオープンするに至りました。なかなかうまくいかないこともあるかと思いますが、みなさんで頑張っていきましょう。よろしくお願いします」

だるま堂が再開した場所は、地元の百貨店小倉井筒屋です。

店員
「いらっしゃいませ、2名様ご案内です」

初日から多くの客が訪れ、小倉の味を堪能しました。ショーケースには、先代の頃から使われてきた看板も飾られました。それでも・・・。

だるま堂 竹中 康二店主
「なんとか店としては、オープンできた。頑張ったなという自負とこれからの方が大変なんだという不安の方が大きいというのが心境」

と、不安を抱えていましたが・・・。

だるま堂 竹中 康二店主
「客を待たさずにとか、どうすれば料理がきちんとしたかたちで出せるのかとか試行錯誤している状況です」

ゴールデンウイーク期間中は、1日に約200人が来店し、スタッフを一時的に増やしたそうです。鳥町食道街の再建が見通せない中、竹中さんは、しばらくこの店を守るといいます。

だるま堂 竹中 康二店主
「できることなら小倉の北九州の顔になるように頑張っていきたい」

小倉で相次いだ火災をもう起こさない。鳥町食道街から通りを挟んですぐの焼き肉店では、ある決断をしました。開店以来毎日、ロースターの洗浄を欠かしませんが、それでも肉の脂が取れなくなってくるということです。

肉処 天穂 村上 季彦店長
オイルキャッチャーという一番最初に煙の中にある脂を吸う部位が燃える。燃えない素材なんですが、脂に火がつくのでどんどん燃える」

そこで本来の予定より早く6月、新しい設備に入れ替えます。費用は約700万円。

肉処 天穂 村上 季彦店長
「金額は高いが、安全面を考えて火事が怖いので、全部入れ替えてしまおうと思います」

火災に負けない。店主たちはそれぞれの形で、新たな一歩を踏み出しています。

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