今回のぐっ！ジョブは、コロナショックの直撃を受け、新業態へシフトする福岡の“元”居酒屋チェーンに注目！安くて何でもある居酒屋が、野菜メインの自然派レストランや、肉盛り放題のうどん店、激辛中華など、超ユニークな専門店にリニューアル！その裏には、食材入手ルートの開拓や、メニュー開発に必死で挑む経営者たちの姿があった！！

福岡で13軒の居酒屋を展開していた「しょうき企画」（福岡県大野城市）は、店を改装し、水出し珈琲やハンバーグ、自家製シフォンケーキが楽しめる自然派カフェをオープン。人気は上々で、すでに4店舗が業態転換している。苦労したのは食材の確保。渡邉司社長は、良質野菜の産地として知られる大分県九重町に狙いを定め、農家を1軒1軒訪ね歩き直接取引の契約を締結。今も自らトラックを運転し新鮮な食材を仕入れに向かうという。「とりあえず飲もうと居酒屋を選ぶお客は減ったが、こだわりの何かを食べに行こうというお客はいる」という渡邉社長。カフェの他にも、自家製麺と肉盛り放題が自慢のうどん店やエビ料理専門店など、居酒屋を個性的な飲食店にリニューアルし、巻き返しを図っている。

同じく福岡で9軒の飲食店を運営する「益正グループ」は、コロナ禍で居酒屋部門の売り上げが85%もダウンする危機的状況に。同グループの草野益次社長は、市場分析のすえ客足の減っていない他の飲食業態へ転換することを決断した。その1つがテイクアウトもできるファストフード、それも珍しいローストチキンの専門店だ。メニュー開発にはみっちり半年をかけ、鶏肉の旨みを引き出す秘伝のタレと、3330時間（！）かけて柔らかく仕上げる独自の調理法を考案。これが女性客の心をつかみ、土日のランチどきにはかなりの賑わいを見せている。そしてもう1つ新たに始めた業態が、坦々麺と餃子の専門店、いわゆる町中華だ。それも、「痺れる辛さ」＝「シビカラ」に特化したメニューを揃え、他店と差別化。「いつか大衆居酒屋を復活させるため、今はいろんなことにトライする」と、草野社長は語る。

【取材企業】

■しょうき企画
[住] 福岡県大野城市御笠川1-10-16
[電] 092-586-8833
[HP] https://www.syouki.jp/

■益正グループ
[住] 福岡県福岡市中央区赤坂1-4-27 KI赤坂ビル4F
[電] 092-718-0883
[HP] http://www.masumasa.jp/