今回のぐっ！ジョブは、「国産シルク」に注目する。化学繊維の台頭で国内では下火になってしまった養蚕だが、近年、医療や健康などの分野でカイコや生糸の価値が見直されつつある。そんな中、かつての一大養蚕地・熊本県山鹿市に世界最大級の養蚕工場が誕生！無菌&オーガニック育ちのカイコが生み出す高品質シルクで、人類の未来を変える研究が進められていた！

かつての一大養蚕地、熊本県山鹿市に、世界最大規模の養蚕工場が誕生した。運営するのは、求人情報誌の発行で知られる「あつまるホールディングス」。同市で立ち上がった産学官連携の“養蚕復活構想”に名乗りを上げ、いろんな研究機関の技術協力を得て2017年に完成させたのだ。内部には最新テクノロジーが満載！繊細で病弱なカイコを守るため、飼育室は空調完備のクリーンルーム（無菌室）を用意、快適な環境を常に維持することで成長を促進している。さらにエサにも近隣の耕作放棄地を利用して育てたオーガニックな桑の葉を使用！これで通常は年3回程度しかマユを作らないカイコたちをブーストし、24回の通年生産を達成！現在、約30万頭のカイコから年間10トンのマユを生産している。

その安心安全のマユからさまざまな商品開発も進んでいた。シルクを使ったアパレル商品はもちろん、抽出した上質なたんぱく質を使って美容や健康商品も登場。さらに、熊本大との共同研究で医療分野にも進出し、体内に残しても拒否反応が出にくい治療器具や、内臓や傷口の保護フィルムなど、人類の未来を変えるビジネスに発展しつつあった！

【取材企業】

■株式会社あつまるホールディングス
[住] （山鹿工場）熊本県山鹿市鹿北町芋生4041
[HP] https://atsumaru-silk.jp/