今回は、九州生まれの「スゴい発明」に注目。サーモンやヒラメなどの海水魚を、真水でも養殖可能にした驚異の陸上養殖装置や、モーターを使わないのに電動アシスト自転車並みの軽〜い乗り心地を実現した世界初のギア。アイデアマンたちの試行錯誤が、業界の常識を塗り替え、いま大きなビジネスにつながろうとしていた！

数々の発明品で知られる熊本県八代市のダンボールメーカー「ひらやま」の平山正社長。彼がいま一番力を入れているのが「陸上養殖装置」だ。サーモンやヒラメなどの海水魚を直径約5メートルの小型いけすで育てる装置で、最大の特徴は「真水」を使える点。海水を引ける場所でなくとも、スペースと電源、水道さえ確保できれば、どこでも養殖を始められるのだ。平山社長は、自ら魚を飼育し5年かけてその生態を研究。生育に適した塩分濃度や水温などのノウハウを身に付け、この装置で自ら1万匹のサーモンの陸上養殖事業を始めた。
脂のりの良い「桃太郎サーモン」としてゆめタウン（イズミ）などのスーパーに販路を開拓。さらに、装置一式、稚魚、ノウハウを1パッケージで販売し、企業の養殖事業参入をサポート中だ。コロナ禍で打撃を受けた農家や飲食店経営者など、九州各地で17の養殖事業参入事業者を生んでいる。

いっぽう、「自転車業界の革命」と噂される発明が「FREE POWER（フリーパワー）」という名のクランクギアだ。一般的なギアと比べ加速性能は20%アップし筋肉負担を65%軽減。バッテリーやモーターを使わないので価格を抑えられる上、どんな自転車にも取り付けられるという優れものだ。開発したのは宮崎市にある社員わずか3人の会社「フリーパワー」。9年をかけた労作は、その革新性から大手自転車販売店からラブコールが届き、独占契約を締結。イオンなど全国各地で「フリーパワー」搭載自転車の勢力拡大中だ。さらに特筆すべきは、この技術が“あらゆるギア”に応用可能な点で、工具運搬用機器にも活用され、海外での販売も決定。将来的には介護用の車いすなどにも活用される見通しだという。機能的かつエコなアイデアギアの可能性は無限大だ。

【取材企業】

■有限会社　ひらやま
[住] 〒869-4202 熊本県八代市鏡町内田1543-1
[電] 0965-52-5108
代表取締役：平山　正
[HP] https://www.kumamoto-hirayama.com/

■株式会社 FREE POWER
[住] 〒880-0841 宮崎市吉村町曽師前甲3172-2浜元ビル2F
代表取締役：浜元陽一郎
[HP] https://free-power.jp/