“就活”なのにスーツNG! 運動会を通して企業と学生が交流

2025/09/24 (水) 16:30

民間企業への就職を希望する大学生1人に対し、何件の求人があるかを示す「大卒求人倍率」は2000年代前半には1倍を割り込むこともありましたが、2026年卒は1.66倍まで上昇しています。これは企業側の求人数が76万件ある中で就職希望者が46万人しかいないという深刻な人手不足です。働き手の確保に企業が苦戦する中、北九州市でユニークな就職活動イベントが開催されました。

記者
「北九州市が主催する就職活動のイベントなんですが、企業のブースには全く人がいません」

北九州市の西日本総合展示場で開かれた就職活動イベント。その名も「学生と企業の大運動会」就職活動を控える学生50人と11の企業の採用担当者が大いに盛り上がりました。なぜ就活と運動会を掛け合わせたのでしょうか?

主催する北九州市 小路憲昭人材確保係長
「通常の就活では伝わらない企業の雰囲気や社員の人柄などを運動会という、体を動かすイベントを通じてお互いに知ってほしいです」

気軽に交流してもらうため、お互いにスーツは禁止。

大学3年生
「今はいろんな企業を見ている段階です。リラックスして企業の人と話せるので本音も見えそうです」
「企業の福利厚生について学びたいです。一緒に参加した学生との(関係を)深めたいです」

参加企業
「より自分たちがしている仕事内容を知ってもらえます。学生のことを知ることもできます。お互いにいい機会になります」

少子化が進む昨今、企業の人材獲得競争が激化。参加した企業も苦戦を強いられています。

「いろいろなコンテンツがありすぎて、学生の興味が分散されているからか、イベントを企画して媒体にアップしても集まってくる数が減っています」

学生と親密に触れ合えるこのイベントは企業にとって絶好の機会なのです。イベントでは企業による1分間のアピールタイムも設けられました。各社、ユニークな発表で学生の心を引きつけます。交流を深めた後にブースでの説明会も開催。積極的な交流が目立ちました。

大学3年生
「説明会を回る前に交流できたので、(ブースに)行きやすいです」
「運動を交えると社員の雰囲気など会社以外のところも見られます」

イベントを通して多くの学生から聞かれたのが、「企業の雰囲気を知ることができた」という声でした。

「企業の人は堅苦しいイメージもあるが、友達感覚で一緒に運動会に参加することで、企業の人の人柄を知れました。(就活において)人柄を重視しています」

就職活動をする学生向けに民間企業が実施した調査では、どのような企業に魅力を感じるか?との問いに3番目に多かったのが完全週休二日制。2番目が給与、待遇。そして、この2つを差し置いて、最も多い7割近くが回答したのが「社内の雰囲気がいい」でした。

「上司・新人が堅苦しくなく話せる環境が一番魅力的です」

企業も学生との交流に手応えを感じたようです。

参加企業
「学生の素に近い一面を知ることができ新鮮な体験でした」
「学生と触れ合い楽しめるので距離感が縮まります。きょう来た学生からインターンシップや選考につながればいいです」

このような就職活動イベントについて専門家は。

インディードリクルートパートナーズ 栗田貴祥上席主任研究員
「自己研究・企業研究を深めきらないままに内定をもらい入社した後のミスマッチが課題となっています。リアルな社風・人間関係を肌で感じることができます。入社してからのミスマッチリスクを相互に減らしていく側面において効果的です」

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