【おとなのよかラボ15】現役歯科医師も実践 もしもの時に役立つ口元ケア

2024/02/08 (木) 16:24

人生100年時代、見てタメになる情報を深掘りしてお伝えする「おとなのよかラボ」。能登半島地震から1カ月あまり。被災者の口内の様子も課題となっています。災害はいつ襲ってくるか分かりません。もしもの時に役に立つ口元ケアを探ります。

▼福岡の歯科医師が被災地へ

1月31日、福岡空港。大きな荷物を抱えた男性が福岡をたとうとしていました。

歯科医師・福岡県歯科保険医協会副会長 杉山正隆さん
「これから能登半島に、避難所の皆さんの歯科治療と治療機材の集積場所を確保するために行ってまいります」

荷物を見せてもらいました。

「これは口の中を見るミラーです。使い捨てのものです」

福岡県歯科保険医協会は2月10日から支援チームを派遣します。その前に、現地の歯科治療や被災者の口内の状況を把握しようというのです。

「しばらく復旧には時間がかかる歯科医院がたくさんあり、地域の歯科治療ができなくなりますので懸念される状態です」

現地から戻った杉山さんは、被災者の口内環境が悪化しつつあると警鐘を鳴らします。

「口の中が汚れてしまえば汚れを飲み込んでいくので、胃・腸などに回って全身の状態が悪くなる。お年寄りや体に障害がある人はなおさらひどい状態になっていると感じています」

こう危機感をにじませたうえで。

「災害はどこにでも起きます。福岡でも今まで朝倉などの水害もありましたし、日頃から備えをしておく必要があると感じました」

そこで「おとなのよかラボ」では、もしもの時に役立つ今すぐできる口元ケアを探ります。

▼災害時でリスク高まる誤嚥(ごえん)性肺炎

福岡市博多区にある福岡県歯科保険医協会。会長の大崎公司さんは災害が起きた時、特に気を付けなければならない病気があると教えてくれました。

「災害時の誤嚥性肺炎で命を失う。必ず日頃から(誤嚥性肺炎のリスクを)考えてもらいたい」

誤嚥性肺炎は死者数でみると第6位(2022年)です。新型コロナより多く、5万6000人が亡くなりました。

「口内の衛生状況が悪化、口内の細菌が肺の中に行き、そこで誤嚥性肺炎を起こします。細菌が原因で亡くなった人が約300人、それが1995年、阪神・淡路大震災でした」

誤嚥性肺炎を防ぐため、歯を磨く用具を入れた備蓄セットが基本だといいます。これに加え。

「歯間ブラシですね。それから入れ歯を使う人は義歯を入れるケース、それに義歯洗浄剤を用意してもらえると、まずまず日頃の備えとしては大丈夫と思います」

キシリトール入りのガムなどもあれば、なおいいそうです。さらに、日頃から身に着けておけば、もしもの時に役に立つ、歯科医師が実践する歯の磨き方があるそうです。

▼歯ブラシなしで口の中を清潔に

福岡・太宰府市の歯科医師、太田秀人さんは、これまで数多くの災害現場で治療にあたってきました。この太田さんが勧める、もしもの時に役立つ口元ケアその1。歯ブラシがない場合の歯の磨き方です。ティッシュ1枚を用意します。これを人差し指に巻きます。

「指に巻き付けたティッシュで歯の表面をこすっていきます。ゆっくりゆっくり奥から順番にこすっていってください」

これで口の中の細菌が相当減るそうです。

「歯科医師の中では常識ですけど、一般の人だと歯ブラシで磨く概念がありますから、歯ブラシがなかったら、もうお手上げ。清潔なティッシュ、ガーゼは非常に有効と思います」

災害時は飲み水が不足することもあります。口内がカラカラになりがちです。

「乾燥してしまうと、唾液の殺菌作用がなくなるので、爆発的に細菌が増える」

誤嚥性肺炎のリスクが高まるのです。そこで、もしもの時に役立つ口元ケアその2。唾液の分泌を促す「あいうべ体操」です。

口を「あ〜」「い〜」「う〜」と動かし、最後に「べ〜」と大きく舌を出します。唾液が出やすくなり、細菌の増殖も抑える効果が期待できるそうです。

「あいうべ体操のやり方、歯ブラシの使い方、それからティッシュ、ガーゼの使い方、そういったことを知識として持っておくことが一番大事なことだと思っています。やはり日頃の備えが命を守ることになると確信しています」

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