海外の国産バイクを探す英国人・サイモン社長

2026/02/25 (水) 16:30

こちらのバイク。約50年前に製造された日本製のバイクですが、当時の販売価格は、70万円。大卒の初任給は、14万円でした。それが今の価格は400万円です。50年前の国産のバイクが、国内で高値で取り引きされる中、日本製の中古バイクを海外で見つけ、日本で販売する動きがあります。往年のバイクに魅了された行橋市のイギリス人男性を取材しました。行橋市の国道横にあるバイクショップ。2階建ての店内には、常時150台のバイクが陳列されています。一台のバイク。そこから降り立ったのは。

サイモン社長
「サイモンです」

サイモンさんはイギリス人。このバイク店を経営しています。店には、50年以上前に製造された国産のビンテージバイク。マニアが憧れる車種が数多くあります。

「これが1972年から77年で造ったモデルなんで、これがうちが多分一番売れてる商品はすごい大人気なんで、みんな乗りたい」

スズキGT380。エンジンは低回転域で力が強いため、出だしの加速が良いのが特長です。エンジンを掛けてもらいました。

「ツーストのエンジンは煙がたくさん出ると音がすごいんで、それで結構みんな好きですよね」

サイモンさん、こうしたバイクをヨーロッパなど海外で見つけ、日本に逆輸入しています。日本国内では、人口減少や都市部での交通インフラの充実により、バイクの生産は減っています。それでも、ビンテージバイクの良さを求めて、買い求める人は増えていると言います。苅田町に住む竹藤さん23歳。1月この店で、1970年代に製造されたスズキGS400を180万円で購入しました。

スズキGS400を購入 竹藤瑛介さん
「見た目が格好よかったのと湘南爆走族の江口洋介が乗っていたバイクなので自分も乗ってみたいと思って購入しました。ちょっと格好いいと思ってもらえればうれしいです」

サイモンさんはビンテージバイクの販売をどうして始めたのでしょうか。

サイモン社長
「当時にすごいものをつくったのは、リスペクトしかないですよね。50年前になるので、やっぱすごい」

サイモンさんは18年前、イギリスから英会話学校の教師として来日しました。その後、商社に勤務。さらに商社での経験を元に日本の農業機械を輸出する会社を10年前、立ち上げました。こちらは、バイクショップから1キロほどの場所にある本業の会社です。

「本業は機械の輸出がメインなんでうちの第3ヤード(作業場)でたくさんの農機具と建機を置いている、海外向け用の商品です」

敷地には、日本製のトラクターなど農業機械が1000台以上保管されています。

「なかなか壊れないんで、鍵を回したら絶対かかるんで、それで海外すごい人気あります」

主な輸出先は、ヨーロッパで、東南アジアやアフリカなどを含め約60カ国にのぼります。その、農業機械の営業で海外の農家を回ると、納屋などに日本の古いバイクがほこりを被って眠っていることがあるそうです。それを引き取って修理し、日本のバイク好きに販売するというのがサイモンさんのビジネスモデル。特に日本の50代以上のユーザーに人気が高いといいます。

「日本のバイクは基本的に古くても新しくても、もう造りがいいので、全然壊れないんで、もうそれで安心で乗れます」

サイモンさん、農業機械はコンテナに積んで貨物船で輸出しています。国産のバイクの輸入を始めたのは、5年ほど前。新型コロナで船便が減って農業機械が輸出しにくくなり新たな収入源を探していたそうです。

「船会社たちに話しとったところで「帰り便だったらあります」(と言われた)。ヨーロッパから持って帰る分を考えたら、その時ちょうどソーシャルディスタンスが重視されていたところなので、1人で乗るバイクなら売れると思った」

コロナがきっかけで古いバイクの輸入を始めたサイモンさん。2024年度は、農業機械の輸出とバイクの輸入で年商20億円と好調です。バイクは、常にレアなものを探していて楽しみながらビンテージバイクビジネスを切り盛りしています。

「旧車がなくなっていったっすねと思う時にポロッと出てくる。(バイクの)寿命を伸ばしていきたいんで、そういう旧車のいいところが、50年前でも60年前でも修理できてまだ乗れるのはすごくいいと思います」

海外に眠る貴重な日本のバイクを探し続けるサイモンさん。自らの好奇心を満たしながら、バイク好きの期待に応え続けています。


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