農家悲鳴 農業用の資材が価格高騰 中東情勢の悪化で値上げラッシュ続くか

2026/05/11 (月) 16:30[2026/05/12 (火) 10:46 更新]

福岡県内でも有数の農作物の生産地、久留米市北野町。ビニールハウスの中で、小松菜がスクスクと育っていました。

千広農産 稲吉広樹さん
「しっかりした株で、やわらかい葉で、芯のところもきれいな光沢。自信作」

と、笑顔で話す稲吉広樹さん。ただ、小松菜を包むビニールの袋を手に取ると、表情が曇りました。

稲吉さん
「袋とか箱とか、そういったものの資材高騰が一番頭が痛いのと低単価」

稲吉さんは、170棟余りのビニールハウスで小松菜や水菜などを栽培しています。肥料や水にこだわり、高級スーパーを中心に販路も自分で開拓してきました。ところが中東情勢の悪化に伴い、農業用資材の高騰に頭を悩ませています。例えば、野菜を包むあのビニールの袋は。

稲吉さん
「2026年5月の注文分から30%値上げということで、約1円上がるのかなと思っています。うちが今、1日に1万枚ほど使いますので、1日に袋代だけで1万円ずつ。30日間出荷するとして、1カ月で30万円、単純にコストが上がっている状況です」

出荷に欠かせないガムテープも6月以降、30%値上がりする見込みです。さらにビニールハウスの前では。

稲吉さん
「先日の強風で破れました。北風と南風の両方で」

ハウスを覆う透明のシートが破れ、修理が必要に。石油を原料にした「農業用ポリエチレン」です。

稲吉さん
「値上がりするという話だけは聞いているんですけど、実際どのぐらい値上がりするのか、まだこちらには連絡が来ていないので、不安ですね」

値上がりの具合が気になります。取り引き先に確認してみました。

稲吉さん
「どうも稲吉です。ビニールハウスの農業用ポリエチレンなんですけど、値上げとか決まりました?」
取り引き先
「やっぱりいつ入ってくるか、見当がつかないんですよ。納期が未定で、30%以上は上がるだろうと」
稲吉さん
「30%以上、値上げですか。それで、石油の価格が下がったら、(資材の価格も)下がりますかね?」
取り引き先
「多分、中東の(情勢次第で)上がる可能性がある」
稲吉さん
「本当ですか」

稲吉さんが、ある書類を見せてくれました。小松菜を取り引き先に売る価格です。2017年の春は4キロで50円。5年後の2022年は若干上がって55円。それが2026年の春は20円です。

稲吉さん
「恐らく需給バランスが悪いということなんだと思うんですけど、でも野菜の値段って、今年は極端に悪いんですけど、基本、そんなに変わっていないんですよ。ずっと10年間同じ売り値で。でもその間のコストだけはどんどん上がっていっている。価格に転嫁できないのが、自分たちの一番抱えている問題です」

こうした状況は、他の農家も同じなのでしょうか。香月勝昭さんは、国内でも有数のパクチーの生産者です。

香月菜園 香月勝昭さん
「この農業用ポリエチレンがまず高くなりましたね。それとこのポリ塩化ビニール管。これは地下水をくみ上げて雨を降らせるように使うんですけど、このポリ塩化ビニール管も高くなりました。資材(の価格)が上がるほど、(野菜の)価格が伴わなければ、ずっと農家は真綿で首を絞められます」

梅雨を前にしたこの日、稲吉さんは大雨による浸水を防ぐ板「止水板」を取り付けていました。被害は直近10年で実に6回。ただ、こうした備えにもコストがかかります。

稲吉さん
「経費がこれだけ上がったんで、6月分から例えば、小松菜を70円にさせて、と言えればいいんですけど、そういうことはなかなかできない。野菜が上がったら悪みたいな感じで言われたりもするので、それであればきちんとした下支えをしてほしいと
思いますね。そういう声は上げていきたいです」

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