学校に保護猫がやってきた!狙いは不登校予防

2025/09/17 (水) 16:30

保護されたネコなどの世話を通じて子どもたちに学校へ来るきっかけをつくる。そんな不登校予防の取り組みが福岡県内の公立小中学校で始まっています。子どもたちの変化と現場で見えてきた課題を取材しました。

9月10日、朝6時30分。猫と一緒に登校しているのは教頭の大塚さん。子どもたちに学校に来る楽しみを見いだしてほしいと、学校での動物保護活動を発案しました。

教頭
「学校からは足が遠のいていた子が、2回学校に来られたのでまた来てくれたらいいなと思っています」

午前7時。大塚さんとネコは小中一貫の義務教育学校みさき学園に到着しました。ケージから出てきたのは生後3カ月の子猫・とらちゃん。佐賀県の駐車場で30度を超える暑さの中、捨てられていたところを保護されました。

午前7時40分。この日はお世話開始の日。当番の子どもたちが登校してきます。まずは部屋の掃除と水の入れ替え。役割を持つことで責任感が生まれています。その後は遊ぶ時間です。

児童
「毎日来るのが楽しみになりました。とらちゃんに会うために」

人気者のとらちゃん。その横ではお世話開始1日目からタブレットを使ってポスターをつくる子どもたちの姿がありました。

児童
「良い飼い主さんに1秒でも早くとらちゃん届けるためです」

この取り組みは動物の世話だけではなく、里親に譲渡するところまでを目的としています。7月には保護犬グリちゃんの世話をして、子どもたち自身の手で譲渡まで行いました。この活動を不登校対策を研究する専門家も高く評価しています。

明治学院大学 小野昌彦教授
「お別れの場面がありましたよね。寂しいという気持ちから涙を流している女の子がいました。それをみんなで慰めて共有していましたよね。みんなで受け止めるという、受け入れてもらえて本人としては安心できる場になっていてお別れまでがすごくいいと思いました」

小野教授は、子どもたちが主体的に学びを深めているところに注目しています。

「グリちゃんがかわいいという気持ちをベースに、その命の大切さ、あと面倒を見る責任、それから学校外の地域の人との関わり。こういうのを楽しく学んでいるのがいいです。子どもたちが主体的にやっていますよね。こういうタイプは今まであまりなかったです」

一方で課題も見えてきました。

教頭
「持続可能じゃないところ。おそらく私が異動して他の中学校に行ったらできないです。後を継いでうんぬんとはならないです。」

今は大塚さんがとらちゃんを自宅に連れて帰るなど世話を引き受けていますが、持続していたくためには組織的な仕組みが必要です。この日は他の職員を含めて保護活動について話し合いました。

「持続可能にするために外部地域とやろうとしている部分もあるがメンバーを募っている途中、保護者にも聞いてみようかなと協力できる人があればと考えているところです」

教員も子どもたちの変化を前向きに受け止めています。

教員
「子どもたちが猫ちゃんいるんですかと聞いて来たり、早く会いたいという子どももいるのですごく子どもたちに良い影響を与えてると思います」
「アレルギーの検査を事前にしたり、アレルギーでも猫が好きな子がいるのでその点は気を付けていきたい」

昼休み。保護犬のグリちゃんを積極的にお世話をしていた、こちらの男の子はとらちゃんのお世話も進んで取り組んでいました。笑顔でとらちゃんを見つめる子どもたち。家族が見つかるその日までお世話を続けます。

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