「あの頃のように」北九州市でシニアディスコ開催 高齢者の憩いの場めざす

2025/10/22 (水) 16:30

40年ほど前に流行した伝説のディスコが1日限定で北九州市によみがえりました。参加者は主に60歳以上の人たち。仕事や子育て、介護など、人生の苦楽をお互いにたたえ合う、「あの頃」を思い出させるディスコの魅力に迫ります。

北九州市の百貨店小倉井筒屋。最上階に人が集まってきました。
きらめくミラーボール、流れているのは、1970年代にヒットしたディスコサウンドばかりです。北九州市の小倉井筒屋で22日に開かれたのはシニア向けのディスコイベント、「ディスコ・フェニックス」かつて北九州市には九州最大級と言われたディスコ、「フェニックス」があり、若者の聖地でもありました。その場所が1日限定でよみがえったのです。ダンスを楽しむこちらのご夫婦。笠松晋さんと妻のパトリシアさんです。2人とも若い頃はフェニックスに何度も通い、踊り明かしたそうです。なんと、結婚式もフェニックスで挙げました。

笠松パトリシアさん
「すばらしい。若い時の思い出がパッと頭によみがえりました。楽しかったです」
笠松晋さん
「もっとたくさんの人がフェニックスに来ていたと思います。踊る機会が今までなかったからとてもいいですね。北九州市は高齢者の街といわれていますが、元気な人がいっぱいいます」

あの頃の記憶を思い出しながら若々しく踊るシニアたち。このイベントを企画したのは、北九州市在住のロコリさん(74)です。

ロコリさん
「皆さんがすごく喜んでくれてずっと踊りっぱなしで、発散できるイベントだからそれがすごく素敵だと思います」

ロコリさんは、「年金生活でもファッションを楽しみたい」と、手ごろな商品、いわゆるプチプラファッションのコーディネートを発信するユーチューバーです。40代以上を中心に支持され、チャンネルの登録者数は6万人を超えています。71歳でチャンネルを開設し、動画の撮影や編集も独学で身につけました。今回のディスコについても、SNSで積極的に発信しています。

ロコリさんの姿は北九州市内の会議室にありました。イベントに協力してくれる地元のNPO法人やボランティアスタッフとの打ち合わせです。会場の設営について最終的な確認が続きます。

ロコリさんには、シニアディスコを「昔を懐かしむ場」では終わらせたくない思いがあります。

ロコリさん
「母の認知症の介護を10年間していました。その時にストレス発散方法として母が寝静まった後に近くの公園に行って、イヤホンを付けて全力で踊りまくっていたんです」

高齢化が進む北九州市。ロコリさんは地域のつながりが薄れ、孤立感を抱く人が増えているのでは感じ、シニアディスコが「同世代の憩いの場」にしたいと考えました。

ロコリさん
「困難もあって乗り越えて今があると思うんです。そういう人たちが集まって、頑張ったよね!ってお互いにエールを送れたらいいと思っています」

そんなロコリさんの気持ちも通じてか、今回のイベントには約350人が集まりました。

60代の夫婦
「懐かしかったです。青春を思い出しました」
60代男性
「いろいろなことを忘れて、音楽に集中して体を動かすことっていうのはすごく楽しいですよね」

最後に舞台に上がったロコリさん。次回の開催を約束しました。

ロコりさん
「こんなに集まってくれてありがとうございます。また来年もしたいと思います。ぜひ皆さん来年もお会いしましょう」

1日限りのシニアディスコは同世代がつながる場づくりになったようです。

60代女性
Q.普段はよく外出しますか
「いや全くで、おとなしくしています。こういう企画をしてくれてよかったです。友人に誘われたんです、とっても楽しかったです」
Q.外出しようと思う機会になりますか
「細胞が若返りますね」

女性4人組
Q.踊ってみてどうでしたか
「最高!気持ち良かったです。実は知らない人同士なんです。いま仲良くなりました」

ロコリさん
「感無量です。やってよかったです。来年も頑張ります。みんなが喜んでくれたのが一番良かったです」

約40年ぶりに復活した1日限りのディスコ。あの頃とは違う今を楽しむ、活気にあふれる場所でした。

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