10月でも蚊に要注意 いつまで発生? 刺されやすい条件と有効な対策は?

2025/10/15 (水) 16:30

福岡市の天神中央公園。街中で網をふるこちらの男性。何をしているのかというと…

九州大学 農学部 衛生昆虫学 藤田龍介准教授
「今はこの周辺を飛び回って襲ってくるヒトスジシマカというヤブ蚊をとっていた」

「蚊」の採集です。衛生昆虫学を研究する九州大学の藤田准教授。4月末から11月末にかけて週に2回、蚊を採集しています。

「時期によってどれぐらいの蚊がいるのか。蚊が何か病原体を持っていないかを調べている」

福岡市西区で7年前から調査を進めていましたが、人が多い場所での蚊の行動を知るため、2025年8月から福岡市中央区でも調査を始めました。記録的な猛暑で、夏は少ないようにも思えた蚊ですが、気温が少しずつ下がり増えてきたと感じている人が多くいました。

街の人
「この頃の方が刺される。真夏はそうでもないけど。庭仕事をするから」
「夜に洗濯物を干してる時などにいる。9月中旬頃から多いなと思った」

実際に蚊は増えているのでしょうか。

九州大学 農学部 衛生昆虫学 藤田龍介准教授
「調査している感じでは例年通り」

藤田准教授によると、蚊の発生数は、例年と大きな違いはありません。ただ猛暑の影響で2025年は夏に刺されることが少なかったといいます。

「暑い真夏の昼間は刺されないし蚊を見ないと思うが、晴れた日の暑い時間帯は蚊が陰で休んでいる」

数は変わらず、涼しくなったこの時期から蚊の動きが活発になったというのです。
また、2025年は例年より遅い時期まで蚊が発生するといいます。

「例年だと気温の低下とともに蚊の数は減っていくが、例年よりは10月中旬以降まで蚊が多いのが続くのではないか。おそらく2025年も11月ぐらいまではいると思う」

そうした中、こちらのドラッグストア。蚊を寄せ付けないための、虫よけスプレーの売り上げに変化がありました。

大賀薬局 博多口店 木下寿一店長
「虫よけは9月より10月の方が売れています。去年にはないことです」

10月でも蚊が多いことと、インバウンド客の需要の高まりもあり、2024年より2割ほど売り上げが伸びました。

この時期でも警戒が必要な蚊。刺されやすい人には、理由があるようです。

やってきたのは九州大学の藤田准教授の研究室。どういう条件だと蚊にさされやすいのでしょうか。

九州大学 農学部 衛生昆虫学 藤田龍介准教授
「体温が高くて運動直後のように二酸化炭素を出している状態が一番刺されやすい」

そのため、皮膚の温度を下げると蚊が寄ってこないといいます。

「例えば保冷剤を半分だけあててしばらく冷やしてみると温かい部分に蚊が寄ってくる」

実際の実験映像がこちら。画面左側が冷やした部分。 右側が通常の体温です。左側にはあっという間に蚊が寄ってきました。一方、冷やした部分は蚊が止まってもすぐに逃げていくのが分かります。運動した直後は温度が高く、蚊に刺されやすいため
冷やしてあげるのが効果的だといいます。

さらに蚊の対策に最も有効なのが… 虫よけの薬です。
こちらが実験映像。画面の左側にだけ虫よけを塗っていて全く蚊が寄ってこないのが分かります。

九州大学 農学部 衛生昆虫学 藤田龍介准教授
Q.虫よけというのはかなり有効
「もう圧倒的。それ以上の対策はないというぐらい効果がある」

ただ、単に振り掛けるだけではダメだといいます。

「スプレーするだけだと塗りむらの部分が出てくるのでしっかりと伸ばして指先や手首まで満遍なく広げる」

そのため、パウダーではなく液体タイプの方がオススメだということです。さらに…

九州大学 農学部 衛生昆虫学 藤田龍介准教授
「蚊は動かない部分に刺しにくる性質があるので、腕などは動かしていると寄ってこない。ただ、首回りは普段そんなに動かない場所なのでケアすることが大事」

また、虫よけの選び方も重要です。藤田准教授によると効果的なのが「イカリジン」と「ディート」という成分。より効果を求める人は表示を確認して濃度が高い物を選ぶといいそうです。

まだ暑さが残る10月。引き続き、蚊の動きには注意が必要です。

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