ノンアル市場が年々拡大 福岡のビアガーデンでもノンアル需要増

2025/10/08 (水) 16:30

健康志向の高まりや若い世代の酒離れを背景に、福岡のビアガーデンでもある意外な商品が支持されています。


「乾杯!」

福岡市天神にある八仙閣天神スカイビアガーデン。中華チェーン八仙閣が手がけるビアガーデンで、都心のビルの屋上でお酒や料理を楽しめます。

「最近涼しくなってちょうどいいと思って来ました」
「最高です」
 
このビアガーデンで、意外な人気を集めているドリンクがあります。

記者
「ビアガーデンといえば酒ということで多彩な酒が並んでいます。こちらはノンアルコールエリアです。豊富な種類があります」

八仙閣 恒松孝典さん
「ビアガーデンを6年前に始めましたが、コロナの時期と重なり(アルコールの)自粛ムードが漂っていました。そんな中で客に少しでも楽しんでほしいと、ノンアルコールを充実させることで飲まなくても楽しめるようにしました」

元々、健康志向の高まりなどを受けて注目を浴びたノンアルコール飲料。拍車を掛けたのがコロナ禍でした。緊急事態宣言下で飲食店でのアルコールの提供に制限がかかったことで需要が増加。人気は今も右肩上がりだといいます。

Qきょうはなぜノンアルですか
「気分転換です。酒を飲めません。酒の味が少しします」

「おいしいです。甘すぎずお酒感があります」

「子どもを車で連れてきたので」

八仙閣 恒松孝典さん
「今も毎日発注しないと追いつかないくらい飲まれています。飲めない人、翌日を控えている人はノンアルコールで雰囲気を楽しみながら飲むケースもあります。いろいろなシチュエーションに応じて利用できます」

この流れは小売りの現場でも。福岡市東区にあるディスカウントストアです。

ミスターマックス土井店 上村友二さん
「ビールのからずらっとサワーのコーナーまで、この広い棚いっぱいに」

ノンアル飲料の特設コーナーも設けその数なんと30種類。先月発売された新商品も
目立つ所に陳列されています。

「もともと各社ノンアルコールビールの展開が多かったですが、サワーやハイボール、梅酒、珍しいところですとワインも出ています」

需要が高まり、店舗としても種類を増やして対応しています。

「新商品を展開することによって、飲んでみようかなというお客様も増え、わずかではあるが年々上昇の傾向にあります」

一方、福岡市中央区のサニー平尾店もノンアル需要に対応。アルコールを控える若年層が増えていることや、商品ジャンルの増加を受け、仕入れ量を2024年の同じ時期と比べて3割増やしました。


「次の日の仕事に響くのとアルコールを制限しているので」

Q.ノンアルコールとアルコールで味の違いは

「最近のノンアルコールは違いがあまり分かりません。おいしいです」

また、男性が手にとったのは6本セットです。


「1日6本飲みます。以前酒を飲み過ぎてガンマGTPが高くなったので、ノンアルコールビールで数値を下げようと思いました。ビールが好きなので、なかなかやめられずに、ノンアルコールビールだったら飲んだ気持ちになります」

体質やスケジュール健康管理など選ばれる理由は様々のようです。

実際にノンアル飲料の市場は拡大しています。飲料メーカーのサントリーが発表しているデータ。毎年の出荷ケース数の推計です。2014年は2902万ケースだったのに対し、2024年は4584万ケース。10年間で1.6倍の規模になっています。メーカーの担当者は今後も市場規模が拡大すると見込んでいます。

サントリーノンアル部 草薙信彦課長
「健康意識の高まりによって減酒が進んでいます。お酒のもたらす高揚感やコミュニケーションを円滑にする、心がほぐれるなど、心の健康という意味でも社会の潮流に
乗って伸びていくのではないでしょうか」

大手メーカーの動きも加速しています。サントリー・キリンは9月に新商品のノンアルビールを発売。アサヒもノンアルカクテルを発売するなど各社新たな市場に期待を寄せます。サントリーはワインやハイボール、レモンサワーなど種類を増やし新たな市場の創出を図っています。

「アルコールに比べるとまだまだ市場が小さいですが、アルコールは売上が少しずつ下がっているが、ノンアルコールはかなり伸び行く市場だと思っています。一定数、お酒から離脱する人はいるので、その人たちにもお酒らしい楽しさを提供していきたいです」

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