紅茶の人気上昇中 福岡の“和紅茶”生産にも変化が

2025/10/02 (木) 16:30

長い列に並ぶみなさんのお目当ては、ロンドンの五つ星ホテルの焼きたてスコーンです。しっとり、ふわふわの食感にリピーターが続出しています。博多阪急では人気イベント「英国フェア」が今月5日まで開かれています。会場にはスコーンやお菓子、ジャムなど甘いものが充実しています。その品揃えにはワケがあります。

博多阪急 土師剛さん
「紅茶と紅茶に合う菓子をみなさん求めています。1杯の紅茶から生まれる豊かな時間をお客様に感じてほしいです。ぜひお客様にあった1杯をえらんでいただきたいです。」

イベントの魅力の1つが「紅茶」です。

山崎アナウンサー
「ティーストリートには20ブランド以上の紅茶がそろっています。本当に人が多いんですが、皆さん香りなどを確かめながら、好みの茶葉を選んでいますね。」

初出店の「ザ・ティーメーカーズ・オブ・ロンドン」おすすめを教えてもらいました。

ザ・ティーメーカーズ・オブ・ロンドン 田宮緑子さん
「ロイヤルティーブレンドと言いまして、エリザベス女王のご健在の時の在位70年の格別なお茶です。」

さらに会場ではアレンジを加えた1杯も提案。ダージリンティーとライチを合わせ炭酸で割ったスパークリングティーです。

山崎アナウンサー
「さわやかです。ライチの香りもあり、紅茶の味がしっかりしています。」


「最初はなじみがないので戸惑いましたけど、飲み進めるとこれもおいしいです。
普段はコーヒーなので久しぶりに紅茶飲んだ。おいしいですね。」

実はいま、紅茶の人気が上昇しています。
日刊経済通信社の統計では、茶葉やペットボトル飲料を含む2023年の紅茶市場は2823億円で過去最大となりました。こうした中、国産紅茶・和紅茶にも変化が出ています。
八女茶の生産・販売を手掛けるゆげ製茶の茶畑です。

Qいまどういう状態ですか?
ゆげ製茶企画販売担当 園川泰章さん
「これが4番茶で摘む前の状態です。今まで4番茶は摘んでそのまま肥料にしていました。それを摘んで紅茶にすることで製品化してみようと試みました。」

お茶は、毎年5月から6月に1番茶・2番茶を摘み煎茶に加工します。ゆげ製茶ではお茶の木のメンテナンスとして8月に3番茶、10月に4番茶を摘み、肥料にしていました。8年前、知人のアドバイスをきっかけに3番茶を使った紅茶の生産をスタート。去年から茶葉を摘んだ季節ごとの味わいを楽しむ和紅茶のシリーズを展開しています。

山崎アナウンサー
「口に含んだ瞬間に香りが広がります。すごく甘味を感じますね。」

口コミで人気が広がりデパートや地元の道の駅などで販売されているほか、カフェやレストランからの問い合わせも増えています。高齢化やペットボトル飲料の普及で生産者は減っています。一方で、和紅茶への参入は年々増えていて、生産拠点は全国で約1100カ所。10年で2倍以上になっています。ゆげ製茶の和紅茶の生産量は年間300キロほどで、煎茶を含めた生産量の1割に満たないものの販売価格は煎茶の倍です。今後は海外展開を見込みブランド力の向上に力を入れます。それでも根底にあるのは「お茶を淹れて飲む」文化を絶やさないことです。

ゆげ製茶三代目 弓削洋さん
「紅茶を足掛けに、昔ながらの家族の団らんに(お茶を)囲んだ時間を普及していけたらという希望があります。」

注がれた一杯の紅茶が、豊かな時間の大切さを見直す契機となりそうです。

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