貴重なピアノを一般開放 その音色は?

2025/11/26 (水) 16:30

福岡市美術館に所蔵されている1台の古いピアノ。ピアノには著名な音楽家のサインがいくつも残されています。大掛かりな修理から2年、一般の人も演奏できる機会が設けられました。どのような音色が響いたのでしょうか。

子どもから大人まで、誰もが思い思いにピアノを演奏します。今月23日、福岡市美術館で開かれたのは所蔵される「レガシーピアノ」の一般開放です。約60年前に製造され、かつて福岡市民会館や福岡サンパレスで使われたグランドピアノで、ピアノには福岡を訪れた20世紀を代表する音楽家のサインが40も記されています。3年前、部品を全て取り替える大規模な修復を施しました。ピアノの保存に関わった人たちが望んでいたのは「市民に親しまれるピアノであってほしい」ということです。

ピアノにサインを残したピアニスト 深沢亮子さん
「人に触らせないということではなく、音楽を好きになってもらえる環境がどんどん広がるといいです」

ピアノの修復を担当 調律師 片山康佑さん
「これだけ有名な音楽家が触ったピアノを私も触った!となるとうれしくなると思います。そういう意味で楽しんでもらえるようなピアノになって末永くなってほしいです」

一般開放のイベントでは、ホールに自由に出入りでき、演奏を聴いたり、近くでピアノを見たりできます。

福岡市美術館 島由貴さん
「これまで一般開放はなかったんですが、ホールを利用する人や美術館がコンサートを企画して皆さんに触れてもらうようにはしていました。ピアノの歴史に触れてもらえればと思って企画しました」

事前の抽選で選ばれた7組は、30分間ピアノを自由に演奏することができます。

福岡市在住のピアニスト、さくらジュンコさん。2年前、修復したばかりのレガシーピアノを偶然目にしてから、いつか弾いてみたいと思っていたそうです。

ピアニスト さくらジュンコさん
「何年越しかの思いがかなったという感じです。歴代のピアニストのレジェンドたちの魂が語りかけてくるような1人で弾いていないような温かい気持ちになりました」

さくらさんのレッスンを受けている小学6年の金井瞭門さんです。

小学6年 金井瞭門さん
「心に残るいい音でした。特に鍵盤が軽かったですね」
Q.ピアノの印象は
「すごく温かい感じがします。いろんな人の心に残る音を出したいです」

休日の美術館。ピアノの音色に誘われて人が集まります。

ピアノ歴1年 小学1年 山田愛さん
「みんなが聴いていたからうれしかったです。古いから弾けると思わなかったので、すごかったです」

冨安ひかりさん(18)
「大木町から来ました。母がネットでたまたま見つけて応募しました。ベートーヴェンの「悲愴」はレガシーピアノも好きなんじゃないかなって思って、あらかじめ弾くと決めて演奏しました」

クラシックの名曲を次々と演奏する冨安さんの夢を尋ねました。

冨安ひかりさん
「元々ピアニストになりたいと思っていた。私の音楽をいろいろな人に聞いてもらい心を動かすような音楽をこれからも作っていきたい」

名だたる音楽家たちが曲を奏でたピアノは、月日が過ぎ、若い人たちに新たな夢や希望を与える存在に変わりつつあります。

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