"令和のコメ騒動”でも好調続くおにぎり業界 その背景は?

2025/10/01 (水) 16:30

福岡市内のスーパー。

記者
「スーパーマーケットには新米が並んでいます。2024年の1.5倍。5キロ4000円台で販売されています」

新米が出る頃には価格は落ち着くと言われていましたが依然、高止まりが続いているようです。こうした状況が、「コメ離れ」に拍車をかけるともいわれています。そもそも国民1人当たりのコメの消費量はピークだった1962年度が年間100キロを超えていたのに対し、近年は減少が続き最新のデータでは51.1キロ。ピーク時の半分以下になっているのです。であるにも関わらずコメが材料の「ある物」が、このところ、絶大な人気を集めているといいます。「ある物」とは、「おにぎり」。こちらは国内のおにぎり専門店の数を表したグラフです。ここ5年で急増しており、「令和のコメ騒動」の中にあっても増加しているのが分かります。福岡市に今年オープンした 「博多おにぎり専門店 福むすび」。九州産のコメや具材を使った多彩なおにぎりが人気のこの店。好調に客を集めています。

博多おにぎり専門店 福むすび 山神幸扶店長
「ランチの女性や駅が近いので観光客が多いです。自宅では食べられない具材・温かいご飯を食べられるのでおいしいと好評です」

価格は1個350円から。最も高級なのは鮭といくらをふんだんに使ったこちらのおにぎりでその価格は800円です。


「コンビニとの違いを比べてみたいです」

増えつつあるおにぎり専門店ですが、どんな背景があるのでしょうか?専門家は、あるきっかけを指摘します。

おにぎり協会 中村祐介代表理事
「コロナ禍でテイクアウト需要が高まりました。コンビニなどの店でテイクアウト品が人気になりました。その中のひとつにおにぎりがあって、ごちそう系のおにぎりが登場しました」

そして、おにぎり人気が続いた理由があるようです。

「(おにぎりは)日常食です。朝・昼・夜おなかが減ったときに手軽に購入・口にできる料理として存在しています。コメ高騰が始まったが元々プチぜいたく消費が増えていること、テイクアウト需要の高まり、ある程度高くてもおにぎりを買いたいという消費者が増えてきています」

そして注目すべきはおにぎりの価格の変化。さまざまな価格で売られているおにぎりですが、実際、「おにぎりにいくらまで払えるか?」街ゆく人50人に聞いてみました。選択肢は3つ。200円まで。400円まで。500円以上です。

街の人
「200円です。コンビニおにぎりが200円以下だからです」
「家で作れるから高い物を買わないです」
「400円は高いと感じます」
「専門店なら300〜400円払えます」
「クオリティーが高い物なら味に対して400円なら払えます」

調査結果がこちら。最も多かったのは「200円まで」という人。ただ、4割が400円までなら払えると答えました。500円以上となると抵抗感があるようです。

「おにぎりは2つ買って食べたいです。500円だったらお釣りが来ないという心理です」
「500円ならランチできる。コンビニで弁当が買えます」

ちなみに500円以上と言う人は「味が良ければいくらでも」という回答でした。こうした新たな消費行動を受け、コンビニおにぎりにも新商品が。

記者
「セブンイレブンが9月から販売しているおにぎり。定番のおにぎりと比べるとその違いは一目瞭然です」

ご飯は通常の約1.5倍。豪華2種類の具材を使った「旨さ相盛おむすび」300円ほどでコンビニとしては強気の価格です。おにぎりが大好きという岡田アナウンサー。味はどうでしょう?

岡田桃佳アナウンサー
「めんたいこと高菜がたっぷりのっています。1口目から素材の味をこれだけ感じられるおにぎりは他にないです。ぜいたくです」

セブン−イレブン・ジャパン 志村明彦さん
「値頃感を追求したおにぎりと併せて、価値観の高い具材・ボリュームたっぷりと客に喜ばれる商品も品ぞろえします幅広いニーズがあります」

「コメ離れ」が懸念される一方、堅調なおにぎり人気。味や価格の選択肢の多さで、今後も私たちを楽しませてくれそうです。

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