福岡市中央区大名で69年続く老舗食堂 昭和の形を守る店主の思いとは

2026/03/27 (金) 16:30

福岡市天神のすぐお隣、大名で69年続く古い食堂があります。昔ながらの店の形を
守りながら、地域とのつながりを大切にする店主の思いを取材しました。

再開発が続く福岡市天神。そのお隣、大名。ファッションや雑貨、飲食のおしゃれな店が並ぶ中、この地で69年続く古い食堂があります。「一膳めし 青木堂」です。

高度経済成長期に入ってすぐ、1957年に創業の青木堂。当時は朝6時半から営業し、この地域の台所として地元住民の「食」を満たしてきました。店は現在9時から。ただその雰囲気は昔と変わりありません。

学生
「落ち着きます、この雰囲気が好きです。味もおいしいです」
県外から出張の度に来店
「ホテルの朝ご飯はすごい高いので。素朴な味・家庭の味でホッとします」
近くの美容室で働く
「きのうも来ました。大名の台所なので」

店の最大の特徴は、焼き魚や煮物、サラダなど30種類以上のおかずが入れ替わりで並ぶガラス製のショーケース。客はここからおかずを取るか、メニュー表からおかずを選んで、別にご飯やみそ汁を注文します。店の名前にもなっている「一膳めし」はこのスタイルを指していて、昭和の頃よくある形でした。


「ショーケースからおかずを選びました。こうしたスタイルはもうあんまりなくなりましたよね」

厨房の奥で鍋を振り続けるのは3代目の店主、青木秀徳さんです。毎朝4時、青木さんはおかずの仕込みを始めます。その数30種類以上とあって青木さん、慣れた手つきで同時に調理を進めていきます。

青木堂3代目 青木秀徳店主
「毎日食べに来てくれるお客さんもいますし、1種類だけだったらそんな毎日こられないと思います」

青木さんは母のさよ子さん、妻の俊子さんらと昔ながらの食堂を守り続けています。野菜炒めは400円。値段は抑えながら、料理の数を減らさないよう努力してきました。

秀徳さん
「おやじがやってたことをやらないといけないですからね」

青木堂で朝食を取るのが日課だという常連客がいます。実はこの方、3年前食道がんを患い、それ以来ここで朝食を取るようになりました。食べるのは、ご飯とみそ汁、そして納豆。


「日曜日だけは休みだから困ります」
青木俊子さん
「休みにする時は心苦しいです」

半世紀以上、店に立つさよ子さん。こうした人からの信頼が、夫が店を切り盛りしていた頃からの財産だと感じています。

青木さよ子さん
『「おいしかった」「お母さん来たよ」と声をかけてくださるのが一番うれしいです。何十年ぶりに来ても「お母さん生きとったねー」と』

厨房をのぞく女性は子どもの頃から通う常連客だそうです。一度県外で就職しましたが、その後に大名に戻ってきました。


「(久しぶりに)帰ってきた時ビッグバンになってたから全然街並みが全然違うかったが、ここは変わっていなくてよかったです」
記者 味はどうですか
「いつも通りおいしいです」

現在の店主である秀徳さんは、味だけではなく地域とのつながりや客の思い出を大切にしていきたいと語ります。

秀徳さん
「地元の常連客を大事にするというのが青木堂が大事にしないといけない部分です。毎日の食卓、家の食卓に代わる台所」

再開発で変わりゆく福岡市の都心部。69年愛され続ける古い食堂は、これからも客にふれあいの記憶を残し続けます。

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