キーワードで振り返る福岡「続く異常気象と地域への影響」

2025/12/23 (火) 16:30

福岡の今年1年をキーワードで振り返ります。2回目のテーマは「異常気象」です。

街の人
「秋がなかったですね。(夏は)暑すぎて、すぐに寒くなった印象です」
「子どもがいて外で遊んだりするけど、夏場は1時間ほど遊ぶだけで汗だくになります。日本の四季が感じられなくなっています」
「バーベキューとかも今までは夏に海でしていたけど、暑すぎるから博多駅周辺のビルの上で、外だけど屋根があるところに行きました」

みなさんやはり「今年も暑かった」という記憶が色濃く残っているようです。長い夏は、驚く記録とともに始まります。6月27日、気象台は梅雨明けを発表。平年より20日早く、6月に梅雨明けするのは統計を取り始めた1951年以降初めてのことでした。

堀内悠太郎記者(今年7月)
「昼過ぎの久留米市です。立っているだけで汗が出てきます。うだるような暑さです」

連日、記録的な暑さに見舞われた福岡。今年、最も高い気温を記録したのは7月28日、太宰府市で39℃と40℃に迫る暑さでした。ちなみに、今年初めて気温が30℃を超える真夏日となったのは太宰府市などで6月4日。最後の真夏日となったのは糸島市で10月18日でした。全国各地で厳しい暑さを記録した今年。気象庁は今後気温が40℃を超えた日を「酷暑日」と名付けるか検討を進めています。

福岡市博多区の柳橋連合市場。博多の台所として年末には正月食材を求め多くの人でにぎわいます。1930年創業の老舗青果店、「八百谷」です。

八百谷 谷岡哲雄社長
「お正月に向けて、おせちの中に入れる鶴の形にしているところです」
Q.2025年の異常気象の影響は?
「とにかく問題があるのは土の中にある根菜など、タマネギ、ジャガイモが極端に高いです」

タマネギやジャガイモは、最大の産地・北海道での大雨や猛暑で不作に。この店ではジャガイモを1キロ700円で販売。去年の倍以上になっています。

山崎アナウンサー
「気軽にポテサラや肉じゃがが作れないですね」
谷岡社長
「ポテサラとか出しているところはいま大変だと思います」

1月・2月の厳しい寒さから一転3月は気温が急上昇し葉物野菜に被害が出たほか、厳しい猛暑で、オクラが曲がるなど夏野菜にも影響。せめて、博多の正月に欠かせない「かつお菜」は安心して手にしたいところですが・・・

谷岡社長
「物はすごく良いと思います。今年はずっと天気が良さそうなので、暮れまでにはそんなに値段は上がらないと思います」

明るい知らせを聞き、続いて訪れたのは、九州近海の海の幸をそろえる船津商店。異常気象について聞きました。

船津商店 船津健一社長
「夏場に本来たくさんとれる魚が少なかったんです。あとは秋になって海水温が下がって秋の魚が出てくるけど、出始めが遅かったイメージがあります」
Q.猛暑が長引いた事で海の季節がずれている
「遅くなっていると思います」

仕入れに来る料理人などに魚の入荷が遅れていると説明を繰り返したと言います。

船津社長
「必要をされる時に良い魚を用意できれば良いんですが、今年に関しては難しいことの方が多かったです」

異常気象がもたらす海への影響をさらに聞こうと漁業の現場を訪ねました。糸島漁業共同組合の仲西組合長です。

糸島漁業共同組合 仲西利弘組合長
「海の中の状況はもっとひどいんです。(海水温は)14〜15℃で、普段なら12〜13℃になるはずです」

海の変化に対応しながらも漁業を続けるためある設備が欠かせないと言います。

仲西組合長
「これが冷却装置の水槽です。中にあるカキは(身が)小さいです。成長が遅い。海がある程度冷え込まないと成長しないので今のところ海水温も高く厳しい状況です」

この水槽が特に重宝されるのは夏です。毎年5月に始まるマダイのシーズン。水揚げしたマダイを市場に出荷するまでこの水槽で保管しています。

Q.海のいけすではない
「温暖化で海水温が上がっています。冷却装置を付けた20℃くらいの海水に生かしておけば大丈夫です」

水槽の利用は増えますが、設備代や電気代も高騰し、漁業者の負担も膨らむばかりです。

仲西組合長
「(海の変化が)さらに進んでいくと(漁業は)どう変わるのか。ひどい状況になるだろうと思います」

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