問われる“説明責任” 福岡県議会・蔵内勇夫前議長は会見で何を語った?

2026/11/05 (木) 17:00

「説明責任」は果たされるのか?会見の注目点は「議員辞職の理由」「証言が相次ぐ金銭授受疑惑」「自身が推進の旗振り役を担ってきたワンヘルス事業」「高額な海外活動」についてです。まず、議員辞職の理由。当初、相次ぐ疑惑に厳しい目を向けられながら辞職を一貫して否定していた蔵内氏。

記者
「議員辞職については?」

福岡県議会 蔵内勇夫前議長
「考えておりません。今から第三者委員会があるので県議会議員としてしっかりと協力をし、答えないといけません」

ところが、この発言の1週間後。突如、議員辞職を表明。

福岡県議会 蔵内勇夫前議長
「福岡県議会議長、福岡県議会議員も辞職します。後日、福岡でゆっくり報告を行いたいと思います」

この際、辞職の理由を述べないまま40秒で取材対応を切り上げました。5日の会見で「わずか1週間で方針転換した理由」について問われると。

福岡県議会 蔵内勇夫前議長
「議員辞職については、私が10期目の選挙に出たときに、後援会と皆さんと話をして、これが最後のだということで、選挙に出ました。そういった思い・経緯がありました。ここは私が身を引いた方が、次の時代の県議会の皆さんで新しい県議会を築いていく。このことが大事と思いました。私が議長・県議会議員を辞職したことは金銭問題とは一切関係ありません」

辞職から2カ月会見を開かなかったことについては、第三者委員会や今後設置される百条委員会への影響を避けるためだったとした上で、次のように述べました。

福岡県議会 蔵内勇夫前議長
「県議会の皆さんは、運営方法に大変厳しい決断を迫られています。そのような時期に私が発言するとその影響力は大きく、混乱を招く恐れがあります」

激しい追及が及んだのが議長・副議長ポストを巡る金銭授受疑惑です。10月には、副議長経験者である元県議の新村雅彦氏が新たに疑惑を証言しました。

副議長経験者 新村雅彦元県議
「“蔵内会長に500万を用意しろ”と言われました」

記者
「なぜ他会派の蔵内氏に払わなければならない?」

副議長経験者 新村雅彦元県議
「牛耳っていると思いました。県議会を牛耳っているのは蔵内氏」

新村氏は、副議長就任に際し食事会の場で蔵内氏に「茶封筒に入れた500万円を手渡した」と言います。自身を名指しした証言について蔵内氏は。

福岡県議会 蔵内勇夫前議長
「私自身について、指摘されている金銭授受については、そのような事実はございません。私は、議会人事に関して金銭を受け取ったことはありませんし、いわゆるお車代であれ、いかなる名目であれ、社会的な儀礼を超えた、政治倫理に反する現金を受け取ったことはありません」

こう述べた上で、新村氏の証言に疑問を呈しました。

福岡県議会 蔵内勇夫前議長
「会見を見たが、私の表情や表現、動作、あれだけ克明に覚えていました。すごいと思いました」

記者
「新村氏がウソをついているのか?蔵内氏がウソをついているのか?」

福岡県議会 蔵内勇夫前議長
「私はウソをついていません」
「それはご自身の判断で。私がうそを付いていません」
「第三者委員会や今後設置される百条委員会による調査にはしっかりと協力したい」
「カネを払ったという人はたくさんいます。カネをもらったという証言はありません。第三者委員会などでしっかりと検証しなければなりません」

この会見を受けて、新村氏が報道陣の取材に応じました。

副議長経験者 新村雅彦元県議
「もう あきれました。そこまで言うかと。例えば、私が人様から大金をいただいたら忘れることなんて考えられませんから、どう見てもなんでそういうことを強弁できるのか不思議でなりません」

さらに新村氏は、手渡した現金の一部に所属していた民主系会派の政務活動費、つまり公金を使ったことを明らかにしました。また、最初に疑惑を証言した吉松源昭県議も取材に応じ蔵内氏の会見内容に疑問を投げかけました。

福岡県議会 吉松源昭県議
「何の進展もないコメントだったと思います。やはり県民に対して説明するというのが第一だと。第三者委員会には説明するけれども県民には説明しないという態度はいかがなものかと思います」

続いては、蔵内氏が推進の旗振り役を担ってきた「ワンヘルス」。5日も胸には、そのバッジを付けていました。この事業を蔵内氏と共に推進してきたのが服部知事ですが、県はすでに一部のワンヘルス関連事業を凍結するなど、事業見直しへとかじを切っています。

福岡県議会 蔵内勇夫前議長
「反省しています。あまりにもワンヘルスを私しか分かっていませんでした。私だけが政策を描いていました。獣医師・県議として分け隔てなくワンヘルスを純粋に進めないと大変なことになるという思いがありました。ですから、そういう意味でいろいろな政策提言は誰よりもやってきました。その過程でもう少し、説明を皆さんに対してしっかりやるべきだったという思いはあります」

一方、「ワンヘルスの重要性は変わらない」との認識を示しました。また高額と批判が相次ぐ海外活動については。

「費用対効果、契約の透明性、成果、そういったものをもう少ししっかりと把握すべきでした。例えばハワイのホテル。我々から指定したことは一度もありません。どの部屋に泊まりたいと言ったこともありません。私としてはもっとリーズナブル(なホテル)が出てこなかったのか、そういった配慮が足りませんでした」

また、公私混同との批判や疑念を招いたことについては「申し訳ないと思っている」     と陳謝しました。

その後、記者からの質問は続いていましたが、予定があることなどを理由に会見を打ち切りました。

「どうか、福岡県政は今過渡期ではあるが、県政が発展するように努めていただくことを心からお願いして、会見を終わらせて頂きます。ありがとうございました」

蔵内前議長の記者会見を、県民はどう受け止めたのか街で聞きました。

街の人
「僕らがどうこう問題じゃないと思います。違う世界の連中やなという感じはします。(説明が足りないのが)けしからん。あんな金額を“知らん”ということ自体おかしいです」
「いつも通りかなという感じで。結局何に使っているかも分からないぐらいもらっているからそういう風になるのではないでしょうか」
「ちょっと恥ずかしいですよ。福岡県民だっていうのがなんかね。せっかく副首都構想が出てるでしょ。あれになりたいなと思うけど、残念ながらちょっとね。倫理的に資格がないんじゃないかって言う気がします」

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