中村荘裁判 被告が過去の供述を否定

2026/11/05 (木) 17:00

9年前、北九州市でアパートが全焼し6人が死亡した火事で、放火や殺人などの罪に問われている元住人への被告人質問が始まりました。被告は改めて無罪を主張したほか、現場付近の防犯カメラに映っているのが自分だと認めた過去の供述を否定しました。

住所不定・無職の井上浩二被告は2017年5月、北九州市小倉北区で日雇いの労働者などが暮らしていた木造アパート「中村荘」に放火し全焼させ、住人の男性6人を死亡させたほか、8人を殺害しようとしたとして、放火や殺人などの罪で起訴されています。これに対し井上被告は、捜査段階から一貫して事件への関与を否定しています。

これまでの裁判では、証人尋問で火災に詳しい専門家が、「燃え広がりの状況から可燃物に短時間で着火した。放火の可能性が極めて高い」と述べています。さらに検察は、被告が犯人であるかどうかの「犯人性」について、被告の自宅から中村荘までの24カ所で防犯カメラに写ったミニバイクの映像を公開。着衣やミニバイクの特徴を踏まえれば、映像に写った人物は井上被告だと主張しました。

一方弁護側は、映像は不鮮明でミニバイクのナンバープレートも写っていないとして、証拠にはならないと述べています。11月5日に始まった被告人質問で、弁護人から転居後に現場の中村荘に行ったことがあるか聞かれた井上被告は、「八幡東区に転居してからは行ったことがない。」と述べ改めて事件への関与を否定しました。警察の調べに対し井上被告は、事件現場付近の防犯カメラに映った人物を自分だと認めていましたが、「着ていた服が似ていると警察に言われたからだ」などとと述べ、供述を誘導されたことを示唆しました。さらに取り調べ中に弁護士と相談できなかったことは、事前に説明を受けなかった からだ」などと警察の対応に不満を示しました。被告人質問は、11月6日と9日にも行われ、判決は2027年1月14日に言い渡されます。


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