福岡市長選争点企画「都市開発と家賃上昇」各候補者の訴えまとめ

2026/11/04 (水) 17:00

過去最多の13人が立候補した福岡市長選挙。3回シリーズで争点を掘り下げ各候補の訴えを整理します。
1回目のテーマは「都市開発と家賃上昇」です。天神ビッグバンや博多コネクティッドなど、大規模な都市開発が進み街が大きく姿を変える一方で、家賃の上昇が続いています。都市の成長と市民の暮らしをどう両立できるのでしょうか。

高島市長
「今、天神ビッグバン、博多コネクティッドで急速に街の景色が変わっている」

高島市政のもと、大きく姿を変えてきた福岡の街。その象徴が、2015年に始まった「天神ビッグバン」です。規制緩和などによって建物の建て替えを促し、今年3月末までに85棟が完成しました。そして2019年に始まったのが、博多駅周辺の「博多コネクティッド」。新たなオフィスビルなどが次々に誕生し、こちらでも30棟が完成しています。街の変化を歓迎する声も。

街の声
「現代的な建物であったりきれいな清潔感ある室内が多くて、とても過ごしやすいし行きたくなる」

また九州大学のキャンパス跡地が再開発された中央区六本松には科学館や商業施設、裁判所などが建てられました。そして、こちらも九大キャンパス跡地。東区箱崎の再開発では10月、街づくり事業の名称が「ハコザキブロック」と発表されました。生体認証による買い物の決済など先端技術を暮らしに取り入れる「スマートシティ」を目指します。

市内各地で進む都市開発の一方で賃貸物件の費用は上昇しています。

不動産情報会社の調査では、福岡市の単身者向け賃貸マンションの平均募集家賃は、およそ6万7000円。1年前より14%上昇しました。ファミリー向けでも、およそ13万9000円と、10%上昇しています。家賃の上昇は住まい探しにも影響しています。

三好不動産 梅原翔太郎さん
「天神や博多エリアで探している人は予算が合わず、西鉄沿線や地下鉄沿線で少し離れたエリアで検討する人が増えている」

実際にファミリー向けの物件を見せてもらうと。

「こちらがファミリー用の2LDKの部屋になるが賃料が12万5000円で募集新築のときは8万円前後で募集していたのでこの7年で4万円ほど上がったことになる」

そしてこちらの梅原さんも。

「実は私も今年の4月に引っ越したばかり。本当は福岡市の居住を希望していたが物件の価格自体、上がっておりますので福岡市外に引っ越した」

5歳の娘を持つ梅原さん。小学校入学を見据え住まいの購入を決めましたが市内の物件価格が高く福岡市外を選んだそうです。市民からも住まい探しに悩む声が聞かれました。

街の声
「以前は同じ価格帯でも、もう少し広い部屋に住めたと思うが最近探している中ではあまり希望に沿うものは少なくなったと感じる」「(賃料が月に)2000円ぐらい次に上がるということで。年間で2万4000円ぐらい」

では都市の成長と住み続けられる街づくりをどう両立させるのか。候補者の訴えをまとめます。所得を増やすことや家賃の負担を軽くすることを重視する政策を打ち出すのはこちらの3人です。

新村優氏
「地価が上がっていくことが予想されるのでそれ以上に所得を増やしていく。これは一部の方の所得だけじゃなくて、総じて、福岡市で働く皆さんたちの所得を上げていくための施策を打っていかなければいけない」

稲富修二氏
「商業地の地価上昇、あるいは住宅地の地価上昇によって固定資産税が増える、税収が非常に上がっているということ。他方でこの税収を使って、住宅コストを引き下げるような政策に使うことは合理性があるんじゃないかと思う」

佐々木彩乃氏
「ファミリー世帯向けの引っ越しの補助や家賃の補助を継続していく。物価・家賃の上がり方というのを踏まえて、その支援を拡充させていくということも同時にやっていくということで考えている」

また、都市開発の進め方や家賃上昇の原因に目を向ける候補もいます。

森健太郎氏
「今まで観光客とか外国人向けとか外資とかで盛り上がっていたが、次は福岡市民に向けてやらないといけない。地価が上がっているが、家賃補助もあるでしょう。ただ取って配るんじゃなくて大胆に減税できる」

吉富景子氏
「市営住宅を活用する、駅の近くの住宅街に家賃補助をするこういった対症療法的なこともしっかりやっていかないといけないと思っているが、そもそも家賃が上がる原因っていうのを病巣を見つけて解決してあげる。まずこれをやらないといけないというふうに思う」

井上潔氏は家賃補助などによる行政の直接介入には否定的で、都心への一極集中を緩和し周辺部の活性化によって家賃を落ち着かせる考えです。


住宅に余裕がある地域への住み替えや空き家の活用を訴える候補者もいます。

調崇史氏
「住宅を求めにくいエリア、求めやすいエリアというのがあって求めやすいエリアは若い人たちがもっと住んでくれたらいいのにと思っている。だからそういったエリアに住み替えを誘導していくっていうふうな考え方の政策、これも私は検討していく必要があるというふうに思っている」

神野元基氏
「低所得者の人や高齢者、若者の一人暮らし、このような人も安心して住める家賃で住める場所、例えば市営住宅を改装するとか、空き家をもう少し利活用するだとか、こういう形でもって市としてしっかり用意していく」

荒牧明楽氏はURなどの住宅を増やし空家と入居希望者を結びつける仕組みを重視。

西脇寛樹氏は家賃補助に加えエレベーターなどの設備を充実させた市営住宅をつくる考えです。

渡辺久也氏は市営住宅の活用や建て替え空き家対策を掲げています。

片山純子氏は人口増加に合わせた市営住宅の拡充や、建て替え若者や高齢者への家賃補助を訴えます。

また阿部秀樹氏は子育て世帯が住みたいと思える街づくりが必要としています。

都市の成長を市民の暮らしにどうつなげるのか。次の市長に、その具体策と実現性が問われます。

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