【LBS】高級レストランで人気 冷凍パンの秘密

2025/05/09 (金) 16:30[2025/05/09 (金) 18:59 更新]

東京・恵比寿。こちらのダイニングレストランでは、ある製品の活用が進んでいます。それが。

ブルーノート・ジャパン エグゼクティブシェフ 長沢宜久取締役
「こちらは冷凍で−18度で保管しているパンでございます」

凍ったパンをオーブンで10分温めるだけで出来上がる「焼きたてパン」。サラダに付くパンやサンドイッチ用のパンもすべて冷凍パンを使っています。

「手作りで作るというのはすごくやりたいんですけれども、時間と手間もかかりますし、冷凍パンもすごく品質もすごく良くて、これは自家製パンなのと言われるぐらい、お料理ともすごくマッチしているんじゃないかなと思います」

実はこのパン、一度焼き上げたものを急速冷凍した「焼成冷凍パン」と言います。生地から焼く一般的な冷凍パンに比べて、短時間で焼きあがることから、人手不足の解消にもなります。今後も成長が期待される冷凍パン。市場規模は約1800億円で、焼成冷凍パンがそのうち2割を占めています。プロが認める焼成冷凍パンのパイオニアが群馬県桐生市に。ここは、焼成冷凍パンだけをつくる「スタイルブレッド」。毎日40万個のパンを作り、販売先は全国4000社に上ります。売上高は、この10年で3.5倍に。今では年間36億円を売り上げるほど急成長しています。パンの材料の小麦粉は、主に群馬県産。その理由が。

日本経済新聞社 岡田信行さん
「群馬県は国内有数の小麦の産地で、小麦を使った麺とかパンとか饅頭とか、そういったものの生産が盛んですし、昔からよく好んで食べる文化もありましたので、そういったことが背景にあるのかなと思います」

実は、群馬県から「日清製粉」や「築地銀だこ」など、小麦を使った全国ブランドが多く生まれています。ここスタイルブレッドも地元の小麦を使って、自社で培養する「桐生酵母」という天然酵母がこだわり。

アルチザンファクトリーチーム 堀越 祐葵さん
「独特の風味だったり、味を出すために桐生酵母を使っています」

酵母も地元産。発酵には16時間から18時間かけるなど手間暇をかけ、美味しさにこだわったパン作りをしています。そして焼き上がったパンは、特殊な冷凍庫に入れマイナス45℃で急速冷凍。

「緩やかに温度を落としていくよりも、しっとり感が保てますし、食感も違ってきますね」

この冷やす時間こそが企業秘密なのです。もとは1930年から続く、桐生の小さなパン屋さん。4代目の田中知さんが事業転換を図りました。きっかけは26年前、30歳の時にアメリカで見た最先端の冷凍技術。

スタイルブレッド 田中知社長
「これだったらば、自分のこだわりのパンを作って、色々な全国にご紹介すれば、もしかしたらビジネスになるんじゃないのかなというのが、受けた時の衝撃の内容です」

2006年、パンを急速冷凍する焼成冷凍パンに特化した事業を始め、7年前には個人向けの販売も開始しました。海外への販路も開拓。20億円を投じた新工場を今年立ち上げ事業の拡大を目指します。

「冷凍するとやはり物流がフリーになりますので、これも海外の輸出もできる。今まで輸出ってパン絶対できなかったと思うんですよね。世界展開の挑戦が可能になるプロダクトを焼成冷凍パンだからこそできるのかな」

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