変わる母の日 家族の時間を彩るグルメギフト人気 一方で花農家は苦悩

2025/05/02 (金) 16:30

今月11日は「母の日」です。デパートでは家族の時間を彩るグルメギフトが充実しています。一方で、贈り物が多様化し、カーネーション農家にその影響が出ています。変わる「母の日」を取材しました。

福岡市博多区の博多阪急で最近の傾向を聞きました。

博多阪急食品担当 藤岡海さん
「ここ数年は、食べ物、グルメギフトが人気です。家族で楽しい食卓、ミニパーティーに合うギフトが人気です」

民間のアンケート調査で、「母の日に贈りたいもの」を尋ねたところ、花・観葉植物が24%食品・グルメとスイーツ38%と、食品ギフトが定番の花を上回っています。博多阪急の人気洋菓子店では、母の日限定のケーキが登場。イチゴ味のピンククリームにカーネーションに見立てたイチゴを飾ったホールケーキ。レモンの風味が爽やかなチーズケーキなどお母さんの好みに合わせて選ぶのもおすすめです。花束のイラストをあしらった箱は、エビせんべいの詰め合わせです。お酒のコーナーからは、フルーツの香りが漂う甘めのワインが喜ばれるそうです。

藤岡さん
「なかなか普段からロゼスパークリングなど飲んでいる人は少ないと思うので楽しんでもらえると思います」

お酒に合うおつまみとして、熟成ハムやサラミのセットも母の日仕様で登場しています。贈り物よりも家族の時間を過ごせる仕掛けという印象です。そうした中、外国人観光客など、日本の「母の日」とは関係ない客も増え、年々、デパート全体での母の日キャンペーンは縮小しつつあります。

藤岡さん
「各店舗で母の日の商品展開が今は多いと思います。贈り物というものは少し需要が落ちてきています」

一方、母の日の変化で打撃を受けているのが花農家です。

花農家 奥野正也さん
「今年は8000ポット作っています」

Q.毎年そのくらい作っていますか
「今年は5000ポット減らして、例年なら1万3000〜1万5000ポット作っていたのを減らしました」

北九州市小倉南区で10年以上カーネーションを生産している奥野正也さん。カーネーションの生産量を減らした理由は物価高と大型連休の影響だと言います。

「食品(への出費)が優先になるので花はその後になります。連休が長いとお母さんと旅行や食事に行って、母の日当日に花をプレゼントすることが減っているのかと思います」

さらに追い打ちをかけるのは、資材や輸送費の高騰です。土は海外から仕入れています。プラスチックの鉢やケースも去年より1割ほど仕入れ価格が上がっていますが、花の価格は据え置いたままです。

「市場の担当者はカーネーションの生産が肌感覚で3割くらい減っていると話していました」

奥野さんの農園ではこの時期、カラーも生産しています。母の日のプレゼントとしても人気があるのに加え、カーネーションと違い、母の日が過ぎても需要があるためです。そうした工夫をしながら、母の日に花を贈る習慣をなくしたくないというのが奥野さんの本音です。

「花で日頃の感謝を伝えてほしいです。それは切に感じています。花はいいので、手に取ってもらいたいです」

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