キャベツの価格が下落　年末の５分の１、平年より２割安　お代わり自由の店は一息｜ニュース｜テレQ

キャベツの価格が下落　年末の５分の１、平年より２割安　お代わり自由の店は一息

2025/06/04 (水) 16:30

上山音アナウンサー
「一時は１玉８００円まで価格が上がったキャベツですが、こちらでは現在１００円台に落ち着いています」

福岡市中央区にある青果店「かいぶつくん」。税込みでレタスが１０５円、大ぶりの白菜は７３円と、お手頃価格の野菜が並びます。

葉物野菜は去年、暑さや天候不順が響き深刻な不作に。今年春まで価格が高騰していました。

かいぶつくん　篠原加代子店長
「安くなっているのはキャベツ、白菜、ネギ。青物類、小松菜。田植えの前に農家が（野菜を）収穫する。畑を空けるために。市場に野菜が入ってくると青果店が仕入れる値段が下がります」

天候が安定したこともあり、この店で一時は１玉８００円台まで上がったキャベツは１５０円ほどになりました。

買い物客
「（冬は）キャベツとか白菜とか葉物が買えない。今は買いやすいです」
買い物客
「セロリ　ニンジン　ニンニク（を買った）。お米高い、野菜が安い。買います。よかったです」

キャベツの価格は昨年末と比べて５分の１に低下。平年と比べても２割ほど安い水準です。葉物は九州の野菜が出回るこの時期が安く、買い時とのこと。

かいぶつくん　篠原店長
「県内産が完全に終わっても、九州産があるので輸送などコスト面でまだ安い。今は少しは家計が楽になったのではないかと思います」

関東産などが中心となるこの先は今より少し価格が上がる見通しということです。

一方、北九州市にある人気の食堂では。

とり安食堂　福田一矢さん
「こちらはセルフで取れるキャベツのお代わりです」

キャベツのお代わりは開店以来、ずっと無料。客はいつも山盛りにしていきます。この店の名物は３００グラムのチキンカツ御膳。カツには千切りキャベツが欠かせません。

「千切りに使うキャベツは、１日５０キロぐらい使います。８０玉くらいですね」

スライサーで千切りにし、お代わりができるよう大量に準備します。しかし、キャベツの価格が急上昇し、１月ごろには無料サービスを続けられるか岐路に立ちました。
　
「ものすごく大変でした。キャベツのお代わりも有料にするかもしれなかったですが、取引事業者の協力などもあり、キャベツはお代わり無料。客がお腹いっぱい食べられるように（取引価格を抑えてもらえるよう）お願いした」

キャベツの仕入れ額は、いつもより２割ほど上がりましたが、その分は店で負担。無料のキャベツを求めて来店する人も多かったそうです。

「客はやはりキャベツをいっぱい食べていた。定食でキャベツはついてくるが、３倍くらい取る客もいました」

キャベツの価格が下がり、今では一息つきました。ただ、コメの価格高騰から、ご飯のお代わり自由は４月末で終えました。

「キャベツ、ご飯、みそ汁などお客さまにお腹いっぱい食べてもらおうと、（お代わりを）全部無料で提供していた。落ち着いてきたらも部無料で提供したいと思っています」

生産地はどうだったのでしょう。福岡県内有数キャベツの生産地、北九州市若松区。７．５ヘクタールの農地でキャベツを栽培している生産者は。

松浦ファーム　松浦宏子さん
「（去年は）３７万５０００株を夏過ぎぐらいに定植しました。夏過ぎの天気がもうすごく暑くって、苗が枯れて、もう水やりが追いつきませんでした」

２０２４年秋は暑さで３割くらいが枯れ、出荷量が減りました。今では出荷シーズンをまもなく終え、次に向けての準備が始まります。いったんは価格が落ち着いてきたキャベツ。それでも松浦さんは、コストに見合う価格を消費者も考えてほしいと言います。

「年々人件費も上がっているし、（野菜を）つくる費用もどんどん上がっている。１００円台で野菜がもうつくれない。（消費者には）状況を分かってほしい」