キッザニア福岡が大人の世界に 大人が夢中になる仕事体験

2025/06/02 (月) 16:30

子どもたちが憧れの職業を体験できる施設として知られるキッザニアですが、大人向けのイベントが人気を集めているようです。新たな視点を与えてくれるという「大人のキッザニア」を取材しました。

福岡市博多区のキッザニア福岡。この日はいつもと違います。

記者
「多くの人が列をなしています。大人が仕事を体験する、大人のキッザニアを求めて来ている人たちです」

キッザニア福岡は2022年に全国3番目の施設として誕生しました。通常、キッザニアは、3歳から15歳が対象。大人は付き添いでしか入れませんが、この日は「大人のキッザニア」です。

キッザニア営業統括部 松村奈津子さん
「約70種類の仕事を用意しています」

大人のキッザニアは、社会の仕組みを体験してもらうというコンセプトを大人にも感じてもらおうと、福岡では2024年から不定期で開催していて、今回が6回目です。

消防士の体験コースです。

スタッフ
「準備はいいですか?」
参加者
「はい」
スタッフ
「もう一度、準備はいいですか?」
体験者
「はい」

しっかりと声を出さないと合格できません。実社会では、お腹から大きな声を出すことはほとんどないという大人たち。キッザニアとはいえ、気が引き締まります。

スタッフ
「気を付け、敬礼、気を付け、整列始め、気を付け」
「順番に防火服を取りに来て、1番員、2番員」

現場に到着。ここからすぐに消火活動。

スタッフ
「右手を上げて、放水始め」
参加者
「放水始め」
スタッフ
「消火開始」
「建物全体をねらって〜」

体験した感想は。

参加者
「いつもは医療関係の仕事をしているので、他の仕事も見てみたいと思って来ました」
Q.訓練も厳しそうでしたが
「消防士は大変だと改めて実感しました」

こんな仕事も体験できます。宇宙飛行士になれる宇宙訓練センターのコースです。参加者は、宇宙飛行士と、指示役のフライトディレクターに分かれます。内容は、無線を使いながら壊れたカメラを修理するというもの。こうした情報伝達は実社会の仕事にも通じます。

宇宙飛行士を体験
「フライトディレクターからの指示を的確に、指示通りにするのが難しかったです」
「テキパキとやらないといけないことがたくさんあって、指示を1回で受け取るのが大変でした」

私は取材でお世話になることもあるシンクタンクの仕事を体験させてもらいました。最新技術でどう社会課題を解決することができるかについて、他の参加者の前でプレゼンテーションしました。

記者
「すごく緊張しました。アイデアをまとめて伝えるという経験は日々の業務にもつながりそうです」

このように仕事の本質が感じられる大人のキッザニアというイベント。人気の背景にはビジネス環境の変化があると見られています。

松村さん
「昨今リスキリングという言葉も聞かれると思います。社会人にとってはやったことのなかった職業、学んだことのなかったことを学ぶ、新しい目線を開くことができたという声をいただいています」

ピザ店の仕事を体験した人は。

ピザ作りを体験
「食べる側と作る側では緊張感が違います。アルコール消毒や髪の毛のことを考えながらピザを食べていませんでした。作る側の気持ちがよく分かりました」

今回の大人向けのイベント。サービスを提供する側の視点を、サービスを受ける側の消費者が知るきっかけにもなるのかもしれません。

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