プール授業の民間委託広がる メリットと課題は?

2025/05/26 (月) 16:30[2025/05/27 (火) 10:48 更新]

福岡県内多くの小中学校で水泳の授業が始まっています。今年はこれまでと授業の内容が大きく変わった地域が増えているというのです。バスから降りてきたのは岡垣町吉木小学校の6年生45人です。向かった先は、町内にある2025年に完成したばかりの民間水泳スクールのプール。岡垣町は2025年度から、老朽化が進む学校のプールではなく、民間の水泳スクールに授業を業務委託しています。

岡垣町 教育総務課 渕上美穂さん
「年間のプールの維持費だけでも水道料金や水質管理のための薬剤など金額がかかっているので、それよりも委託の方がいいと今後のことを考えて採用しました」

プールに入る前のシャワーを浴びる子どもたち。落ち着いた様子ですね。シャワーも最新設備、もちろん温水です。

男児
「いつもは冷たい水でみんな地獄のシャワーと呼んでいるが今回温かくて良かった」

授業を担当するのは学校の教員ではなく、専門のインストラクターです。

インストラクター
「それでは今からバタバタをします。先生が手を持たないとバタバタできない人いますか。はい。じゃぁ全員持ちます」

今の6年生はコロナ禍で十分な水泳授業を受けられなかった世代。児童の泳ぐ力に応じて3つのグループに分けて指導していました。

吉木小学校 中西靖彦校長
「指導が手厚いですね。指導者が2人いて担任が陸上から見られて安全面も泳力向上についても非常にいいと思います」

水に顔をつけるのが苦手な児童もこの通り!プロの指導で数分後にはできるようになりました。

担任教員
「プールの指導は難しいのでこうしたら泳げるようになるんだなとか、顔を水につけるのが苦手な子もできるようになっていたので、声掛けが大事だなと学びました」

記者
「今年のプールがどうですか?」

児童
「めっちゃ楽しい」
「楽しいです」
「学校の先生じゃなくてプロに教えてもらえるのがうれしいです」
「日焼けしないところがいいです」

こうした水泳授業の民間委託が、県内各地で徐々に本格化。福岡市は3年前から試験的に民間委託を始め2025年度は37校に拡大しています。背景には、老朽化したプールの維持費や補修費を抑えられる予算面の合理性のほか、これまで、指導だけではなくプールの水質調査など、管理する役割も担ってきた教員の負担軽減、さらに。

福岡市教育委員会 花田祐介さん
「天候に左右されず、計画的に水泳授業が実施できます。屋内プールということになりますので、熱中症の心配も少なくなります。メリットは大きいのではないかなと思います」

いいことづくしのようですが課題はあるのでしょうか?

「徒歩移動の負担というところは1つあげられます」

民間のプールまで徒歩で移動する学校では安全確保が教員の負担になるケースもあるそうです。

「2025年度からは、徒歩移動する学校につきましては移動時に引率してもらう人を配置して安全確保、並びに教員の負担軽減に取り組んでいます」

さらに福岡市には146校もの小学校があり民間プールの数や、学校からプールへの距離のばらつきから一斉に導入するのは難しい状況です。

「民間プールを活用できない学校については指導補助員を派遣するという取り組みを進めております」

メリットが多い水泳授業の民間委託。地域間の不公平感をどう少なくするかが課題といえそうです。

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