繁忙期のクリーニング業 利用者が増えている注目サービスとは

2025/04/30 (水) 16:30

衣替えのシーズンでいまが繁忙期のクリーニング業。しかしリモートワークやクールビズの定着でスーツを着る人が減るなど、全国にあるクリーニング店の数は年々減少しています。そんな中、現代人のニーズを捉えて利用者が増えている注目のサービスを取材しました。北九州市八幡西区のクリーニング店です。


「冬物のセーターのクリーニングの受け取りです」

衣替えの時季とあって多くの客が訪れますが。

モリガミクリーニング 森上幸俊社長
「クリーニング業界は右肩下がり。周りのクリーニング屋さんがなくなって、出すところがない」

会社員の服装のカジュアル化などの影響で、業界が苦境に立たされているのです。そんな中、この店で利用者が増えているサービスが。顧客の自宅に訪問し、衣類を受け取る宅配型のクリーニングです。

集荷担当
「特に目立った染みはなさそうですね」
「ゴムではがれる恐れがあるので気を付けて洗います」

集荷に訪れるのはクリーニング工場で働く洗濯のプロ。頼んだ衣服はキレイになって3日ほどで自宅に届きます。

常連客
「本当に助かってます。店舗に行かなくてもモリガミさんにお願いをして我が家はやっています」

この宅配型の利用者は毎年500人ほど増加しており、その売り上げは従来の店頭で受け付けるクリーニングの1・5倍まで成長。事業の柱になっています。

森上社長
「日中忙しくてクリーニングに出す時間がないという人や、車の免許を返納した年配の人は非常に喜んでいます」

一方、さらに業界内で注目を集めるサービスを提供しているのが県内130店舗を展開する「洗光舎」です。

洗光舎 西山智幸専務
「保管のスペースだけで25坪あります。商品を並べて保管しています」

洗光舎では、クリーニングしたあと「半年間預かるサービス」を展開。つまり客は、夏場に不要でかさばる冬物を次に使う11月ごろまで預かってもらえるのです。

「春の衣替えで5月〜6月ぐらいになると、1000点くらい。ポールにもずらっと洋服が掛かります」

保管にあたってはカビを防ぐ加工を施し、室温・湿度を徹底管理。料金はクリーニング代とは別に1点1100円。
      
「(利用者は)初年度からは3倍くらいに2年目になった。その後は年間を通して150パーセント以上は増えている」

自宅のスペースが空き、カビや虫食い対策も不要。 現代人のニーズを捉えているのです。福岡市に住む一人暮らしの杉原さん。クローゼットの中身は隙間がないほどぎゅうぎゅう詰めですが。

杉原圭祐さん
「入れて集荷する、出して冬に届くので楽」

利用しているのは冬物を発送し、半年ほど預けるサービスです。つまり「宅配型」と「預かるクリーニング」のハイブリッド。運営するのは滋賀県に本社を置くヨシハラシステムズです。宅配クリーニングの強みを生かし、全国から衣類を集めて巨大な工場で保管しています。利用者は年間30万人。特に、コロナ禍以後、急増したといいます。

ヨシハラシステムズ 吉原保社長
「(コロナ禍で)お客さんの来店もなく一時的に店を閉めないといけなかった。ネットは接触機会もほとんどないので、コロナの時は受注・利用者が増えた」

今後はインターネット経由で衣類を預かるシステムやノウハウについて同業の他社に対し販売していきたいとしています。

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