七夕にスイカ 福岡・筑後地方で受け継がれる独自文化を深掘り

2025/08/07 (木) 16:30

夏の日差しが照りつけるこの時期、久留米市の青果店には特別なスイカが並びます。

飯田や 飯田真大さん
「ツル付きのスイカっていうのが1番の特徴です。ツルのようにのびのびと育ってほしい、玉のように大きく元気に育ってほしいという願いが込められています」

久留米や小郡など筑後地方の一部で受け継がれている風習、それは。

「七夕スイカといいます。旧暦の七夕にあわせてというのが基本ですが最近では7月7日の七夕にされる人も増えてきています」

青果店を訪れたこちらの女性。「七夕スイカ」を購入しに来たようです。


「代々ずっと小学1年生で七夕スイカをするということでしています。我が家ではお兄ちゃん・お姉ちゃんもいて3回目です」

七夕スイカは小学1年生に贈ります。つるのように伸び伸び、玉のように丸々と育つようにという思いが込められています。この店では、毎年150玉ほどの七夕スイカを用意しています。

飯田や 飯田真大さん
「注文が多いぐらいなんです。以前にも増して子どもの成長を願う気持ちが強くなったように思います」

親子3代でやってきたこちらの家族。小学1年生の昌太くんのためにみんなで店を訪れました。

祖父
「私の代もおじさんが持ってきてくれた記憶があります。私の子どもたちも母親がちゃんとしてくれました。だからそれを受け継いで孫にもということです」

スイカを受け取ったあとは、自宅の床の間に飾ります。次は習字です。昌太くんが筆を手に取り書いたのは。

昌太くん
「た・な・ば・た。はい。お母さんOK」

「私が子どものころに祖母がたなばたって書くと言ったので、言われたとおりに書いてそのままの流れで」

お兄ちゃんたちも同じようにしてきました。さあ、スイカと昌太くんが書いた「たなばた」の文字を並べて記念撮影。昌太くんと比べるとスイカが普通のものより大きいことが分かります。胴回り1メートル重さ16キロ。昔から7歳、つまり小学1年生の子どもと同じくらいの重さのスイカが贈られてきました。家族全員がそろい、しばらく飾っていたスイカをみんなでいただきます。

祖父
「大きくなってださい」

「元気に大きくなってください」
昌太くん
「大きくなるためにはね。スイカをいっぱい食べる」

七夕スイカの始まりには諸説あり、明治から昭和中期の間に定着したとされています。子どもの健やかな成長を願う風習は、令和の今も変わらず受け継がれています。

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