農業の未来を変える省エネ技術 久留米の企業が表彰される

2025/05/07 (水) 16:30

経済産業省などが優れた省エネ技術やエコにつながる活動を表彰する「省エネ大賞」という制度をご存じでしょうか。表彰された主な企業を見てみますと、トヨタ自動車、パナソニック、シャープなどおなじみのグルーバル企業がずらり。その中に、「アイナックシステム」という久留米市に本社がある企業が名を連ねています。この「アイナックシステム」、工場内の自動化システムを作る会社なのですが、表彰されたのは、福岡の農業の未来を変えるかもしれない新技術でした。

「アイナックシステム」の稲員重典社長が久留米市役所を訪れ、2024年度の「省エネ大賞審査委員会特別賞」を受賞したことを報告しました。「アイナックシステム」は、もともとメーカーの工場内を自動化するシステムなどを構築・販売する企業です。しかし、今回表彰されたのは。

稲員社長
「このシステムが農業の人手不足解消と収益改善につなげられればと思っています」

実はこの企業、工場内を自動化するシステムを農業の分野で応用しているのです。例えばこれは、福岡特産の「あまおう」を自動で収穫するロボット。AIが色を識別し、食べ頃のイチゴだけを摘むという優れもの。そして、今回「省エネ大賞」に選ばれたのも、イチゴの生産現場を大きく変えるかもしれない新システムです。久留米市にある観光農園。

高田樹彦取締役
「こちらで運用しているのが、局所土壌ヒーターシステムです」

土に敷かれた「透明の管」がヒーター。イチゴの生育に必要な箇所をピンポイントで暖めることで熱源の二酸化炭素排出量を従来と比べ半分にします。エコなだけではなく、実証実験では収穫量も2倍になりました。そしてアイナックシステムのノウハウが詰まっているのが。

「コントローラー。工場の自動化の事業の技術・ノウハウが詰まっています」

この機械が温度などを感知し調節が必要な区域のみヒーターを作動させます。

「契約電力がこれまで120Aかかっていたが、家庭用と同じ30〜40Aまで下げることができます」

従来はこうしたシステムを組むには大規模な工事が必要でしたがこれにより初期費用は3分の1ほど。さらに省エネなので稼働の費用も半分にできるといいます。システムを採用しているイチゴ農家は。

フルトリエ中村美紗さん
「既存のシステムに後付けできるのがすごくいいです。来年、ハウスを増やす予定があるのでそこにもヒーターを設置する予定です」

このシステムは現在約20カ所で運用されていて今後、さらに広げていきたい考えです。

高田取締役
「農業の工業化、完全自動化に向けた技術の開発・提供を今後スピードを上げて提供していきたいです」

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