【夏野菜】今年も猛暑に警戒 「去年はほとんどが高温障害」

2025/06/24 (火) 16:30

2024年夏に始まったコメの価格高騰。依然として家計を苦しめていますが、明るいきざしも。23日発表された全国のスーパーでのコメの平均価格は5キロ当たり3920円。前の週と比べて200円以上の値下がりとなりました。3000円台になるのは2025年3月以来、実に3カ月半ぶりです。流通が進む「政府備蓄米」の効果が出始めたものとみられます。さらに、6月20日にはこれまでスーパーなどの小売店に限定していた備蓄米の売り渡しを飲食店などの事業者にも拡大。「令和のコメ騒動」収束に期待がかかります。そんな中、不足が懸念される食材も。久留米市にある農園。ここではあるユニークな「夏野菜」を育てています。まるで卵のようなこちらの正体は「ナス」普段目にするものとの違いは一目瞭然。この「白ナス」は美しい見た目から「宝石野菜」として料亭などで使われている食材です。

エイチアイ 稲吉久徳社長
「白ナスは普通のナスに比べ水分量がかなり多くて料理するとトロトロになります」

1個をまるごと焼いたステーキのほか素揚げやカレーなど。どんな調理でもおいしく味わえるこの野菜に2024年ある変化が。

「暑すぎて、ナスが変色してうまく育ちませんでした」

そう。「令和のコメ騒動」を引き起こした「猛暑」が暑さに強いはずの「夏野菜」にも影響を及ぼしたのです。6年前に栽培を始めた「白ナス」

「最初は高温障害にはならなかったです。2024年が一番ひどかったです」

生育時が猛暑だと、白ナスの場合は黄色に変色する症状が現れ、出荷できなくなります。

「2024年は全滅です。全滅は2024年が初めてです」

記録的な暑さとなった2024年8月には栽培していた1万個のほとんどが変色。ハウスの温度を下げるため換気などを実施していますが、一筋縄ではいきません。

「暑くなると(窓を)開けないといけないが、そうすると風が入ってしまい白ナスが枝に当たって傷が入ります。そうすると出荷ができなくなります」

見た目が売りの「白ナス」温度以外にも細心の注意を払わなければならないのです。さらに今の時期にはもう一つ不安が。それが、頻発する豪雨です。2017年、2023年と相次いだ豪雨で白ナスはなんとか無事だったものの、近くにある水菜などを育てるハウスは浸水。甚大な被害を受けました。2025年の栽培は順調に進んでいますが梅雨から夏へ。「大雨」や「猛暑」といった異常気象に頭を抱える日々は続きそうです。一方、こちらは福岡市東区の青果店。ニンジンは10本近く入って194円。トマトもこれだけ入って同じく200円以下。野菜によっては非常に安く売られていました。


「安いし品物が新鮮でおいしいです」
「助かっています」

物価高が続く中、少しでも家計の負担を減らそうと多くの客が野菜を買い求めています。店では、2024年に続き2025年も猛暑の影響を懸念しています。

バカ安八百屋若宮店 西田允店長
「タマネギは固いが、水っぽくなったり中から汁が出たりします。高温障害、芯腐れが増えてくるのではないでしょうか」

2024年、散見された高温障害の野菜。先ほどの白ナスとは違い見た目は変わらず中が腐っている野菜も。仕入れ段階では気付かず店頭に並べる際に見つかることも多かったといいます。

「なるべく廃棄しないようにトリミング(除去)したりカットしたり値段を下げて出したりしています」

あの手この手で高温障害に対応しているようです。近年、気象や災害に大きく左右されている野菜の価格。その背景には日本の農業の構造的な問題があるといいます。専門家に話を聞くと2つのポイントが見えてきました。

東京農業大学 高柳長直教授
「農家の高齢化。日本農業の供給力が徐々に落ちてきています。災害などが発生すると昔よりも対応困難ということで価格が高騰する傾向があります。野菜の場合は季節ごとに産地が決まっています。気象災害がある地域で起こると他の地域も作っていればそこでカバーできるがそういう状況に構造がなっていません」

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