「5歳児健診」福岡市が試験的な実施始める 必要性は?

2025/06/26 (木) 16:30

3歳児の母親
「初めての子どもなので何が分からないのかも分からないので、あるとありがたいです」

1歳児の父親
「(子どもが)人見知りなのでコミュニティに属して、コミュニケーションが相手ととれているかは親として見てみたいです」

子育て中のママ・パパたちから聞かれたのは、全国で広がる「5歳児健診」に対する声です。
福岡市は、5歳児健診を希望する500人を募り、試験的に実施すると今年5月に発表。今月26日から市内3カ所の保健福祉センターで5歳児健診を試験的に実施します。5歳児健診では、身体測定や言葉の発達に加え、同年代の子どもとの関わりを知るため「集団遊び」を取り入れます。手遊び歌やルール遊びで相手の気持ちを理解したり、自分の気持ちを伝えたりできるかなどを観察。目的は発達状況に応じて適切な支援につなげることです。
国は2028年度までに全国で完全実施を目指しています。幼児教育の専門家に「5歳」のタイミングで健診をする重要性を尋ねました。

中村学園大学短期大学部 幼児保育学科 福丸奈津子准教授
「就学前は非常に発達の変化が大きな時期。子育てや子どもの発達に悩みを抱えている保護者がいるかもしれません。そうした人へのアプローチを可能にして、子どもと保護者を救うことができるかもしれないです」

健診を実施するには人員の確保などさまざまな課題もあります。

福丸准教授
「健診の内容をどのように実施するか、対象者をどのような方法で決めるか難しい課題です」

こうした課題もある中、福岡県内ですでに「5歳児健診」を実施しているのは宗像市、吉富町、香春町です。5年前から5歳児健診をしている香春町。学校現場から「就学前の支援の必要性」を耳にしたことが取り組みのきっかけでした。

香春町健康づくり係 野添 華さん
「子どもが長く座るのが苦手、友達と長く遊ぶのが得意でないと、気づいていても相談まで至らないこともあります。今取り組めることがあると、お互い共有し合える場面になっています」

福祉・教育・医療が連携する香春町の5歳児健診。
まず、5歳児の保護者が記入した問診を保健師などが事前に確認します。5歳児全員を対象に医者が個別の健診を実施。その結果、支援が必要と判断された場合は、発達や心理の専門家が保護者の相談に応じ、集団形式の健診で遊ぶ様子などを観察します。
香春町健康づくり係 野添 華さん
「1対1になることで、この課題に対してどこまで一緒にできるかをしっかり見てあげる場面になります。子どもに合った学校生活をスタートできるようにという意味では、この5歳児健診は意味があるものだと思っています」

試験的に5歳児健診を始めた福岡市。市内に暮らす5歳児は約1万3000人です。市の担当者は本格的な実施も視野に、健診の方法や内容などを探りたいとしています。

福岡市こども未来局こども健やか課 古江健樹課長
「健診の方法、内容、スタッフの配置、健診がスムーズに流れるか、(健診後の)フォローの体制、全てをしっかり見て、どういう形でやっていくのが一番、福岡市の実情に合っているのかしっかり検討していきたいです」

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