12月2日から原則「マイナ保険証」に移行 暫定措置も

2025/12/02 (火) 16:30[2025/12/02 (火) 19:22 更新]

従来の健康保険証、いわゆる「紙の保険証」の有効期限が12月1日に切れ、2日からマイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」に切り替わりました。しかし、マイナ保険証の利用率は10月末時点で37%にとどまっていて、国は暫定措置を設けてマイナ保険証に切り替えていない人に対応しています。今後、切り替えは順調に進むのでしょうか。

マイナンバーカードと健康保険証が一体化した「マイナ保険証」への切り替えについて、街で聞いてみました。

切り替えた人
「(病院では)マイナンバーカードを出しています」

切り替えた人
「一応変えました。まだ保険証を使っています。今までずっと使ってきたので保険証で良いと思います」

切り替えていない人
「(切り替えは)してないです。やり方が分からなくてそのまま既存の保険証を使っています」

切り替えていない人 
「まだ切り替えてないです。面倒くさいが勝っちゃうので今まで通りが良いと思います」

マイナ保険証の利用率で目立つのは「若い人の低さ」です。年代別の利用率は、60代が約35%であるの対し、10代、20代は30%を割っている状況です。この傾向について専門家は。

社会保険労務士 村井真子さん
「若い方が病院にアクセスする頻度が低いという理由が大きいです。また、デジタルネイティブであるからこそ、データに対する取り扱い意識があって、(マイナンバーカードに)個人の病歴情報を付与することに対して抵抗があるのではないかと思います」

そして12月1日、従来の保険証の全ての有効期限が切れ、2日からマイナ保険証に本格的に移行しました。那珂川市の歯科医院では、受付にやってきた人の多くがマイナンバーカードで手続きをしていました。

おおさき歯科医院 大崎公司院長
「患者さんから見えるところに、12月2日からマイナ保険証がどうなるのかに関してのポスターを貼っています」

マイナ保険証の登録ができていない人は、自宅に送付された「資格確認書」を持参することで、今まで通り受診することができます。つまり、12月2日からマイナ保険証か資格確認書のどちらかの提示が原則として必要になります。

しかし、国は期限切れを知らずに従来の保険証で受診しようとする人がいることを想定、また、マイナ保険証の全国での利用率が2025年10月時点で37%と半数を割っているという状況を踏まえ、2026年3月末まで期限切れの保険証でも通常の自己負担割合で済む暫定措置をとっています。

有効期限が切れると言いながらも、「紙の保険証」が使える状況が逆に分かりにくさも生んでいて、この歯科医院では今後、ポスターの掲示だけでなく患者に対して丁寧に説明をしていきたいとしています。

「システムが非常に煩雑です。マイナンバーカードを作っていない、マイナ保険証に移行していないから受診できないとなると患者の健康を損ねる心配があります。実際どうなのかという話を正確にしたいです」

一方、12月1日に福岡県内の医療関係者ら約20人が紙の保険証の復活を求める声を上げました。訴えていたのはマイナ保険証でのトラブルが多いという点です。福岡県保険医協会などが県内の医療機関に「マイナ保険証」について2025年春ごろに調査したところ、「トラブルがあった」と9割近くが回答していました。

「保険証をかえして」ネットワークふくおか 七里正昭事務局長
「マイナ保険証で多発している深刻なトラブルを医療現場で防ぐセーフティーネットになってくれていた保険証。その保険証をなぜ廃止しなければならないのでしょうか」

調査では、マイナンバーカードの有効期限切れや、他人の情報がひも付いていたなどのトラブルがあったといいます。

12月2日からマイナ保険証か資格確認書のどちらかの提示が原則として必要となる中、こうしたトラブルも指摘され、今後国がスムーズな移行を進められるかどうかが課題と言えます。

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