【福岡空港】“変化の一年”総まとめ 旅客数増加・新滑走路・国際線ターミナルビル

2025/12/03 (水) 16:30

九州の空の玄関口、福岡空港。コロナ禍以降、活気を取り戻し連日、多くの利用者でにぎわっています。

韓国人観光客
「天神でイルミネーションを見て大名の通りにも行って楽しかったです」
「博多と湯布院に行きました。博多はおいしいもの・ショッピングできる所も多くて面白かったです」

2025年4〜9月の旅客数は国内線が940万人、国際線は453万人でいずれも過去最多だった2024年の同じ時期を上回りました。一方、人気空港ゆえの課題もあります。それが「滑走路の混雑」です。2024年度の発着回数はコロナ前を上回る約18万回。滑走路が1本の国内の空港で最多でした。福岡空港はいわば「日本一の混雑空港」だったのです。

そんな中、2025年3月。国が約1600億円をかけて新たな滑走路を整備。その運用が始まりました。ただ「これで解決」とはならず、2本の滑走路の間隔が狭く同時に離着陸できないため1時間当たりの発着は平均38回から40回と2回の増加にとどまっています。それでも専門家は増設には意義があると語ります。

元航空管制官 田中秀和さん
1.トラブル発生時
「一番大きな利点はトラブルが発生してももう1本の滑走路で運航を継続できることです。今までは、滑走路が1本の時はトラブルが起きると即滑走路閉鎖で運航が止まっていました。2本目ができたことで運行は一部縮小されるが、継続できるようになりました」
2.離着陸の効率化
「2本目ができたことで、滑走路上に出発機を待機させたまま既存の滑走路に着陸機を降ろすことができるようになりました。ほんの数十秒(の短縮)ではあるが、1日何十便もできると考えると大きな短縮になります」

福岡県や市などは滑走路への進入経路を変えることで、1割ほど発着を増やせるとして11月、国に要望書を提出しました。今後、混雑は解消されるのか。注目されます。

一方、滑走路の運用開始と同時期にリニューアルオープンしたのが国際線ターミナルビルです。

韓国人観光客
「便利な施設がそろっています」
「(以前は)工事をしていたので見た目が良くなかったが、今はきれいになりました」

便利さや使いやすさを追求した増改築。保安検査場の面積を広げたことに加えペットボトルなどの液体を取り出さなくても検査できる「スマートレーン」を導入し処理能力は2倍になりました。この他、免税店エリアは4倍の広さに。コスメやファッションなど約130のブランドが集まり、併設されたフードコートではラーメンや焼き鳥など福岡のグルメを楽しめます。リニューアルから半年以上が経過した今の状況は?

空港の運営会社の担当者に話を聞くと。

福岡国際空港広報課 今村百花さん
「利用者からは、使いやすい、広くなりうれしいなどの声もあります。売り上げも予想を上回る形で推移しています」

2025年4〜9月の免税店の売り上げは大幅に増加し132億円にのぼりました。こうした状況を追い風に、空港を運営する福岡国際空港は今年度2018年の会社設立以来初の黒字を達成する見通しです。懸念されるのが昨今の日中関係ですが、今のところ週1便の欠航はあるものの影響は限定的で、今後の状況を注視したいということです。

一方、国内線ターミナルには2027年夏に商業エリア、ホテル、バスターミナルなどが一体となった「複合施設」が開業予定です。総事業費は450億円。そのコンセプトは。

「飛行機を乗らない人も楽しめる施設になればいいです」

「天神」や「博多」と並ぶ福岡の新たな拠点として根付かせたいという狙いがあり、天神・博多とは違った特徴を出していきたい考えです。

「「空港らしさ。(福岡空港は)アジアとつながる玄関口でもあります。カギとなるのは4階にできる“アジアンフードフロア”です。日本を含む東南アジアなどの飲食店約40店舗を集める予定です」

旅客数増加を追い風に活気づく福岡空港。2026年以降もどんな進化を遂げるのか。目が離せません。

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