福岡市の産後ケア リゾートホテルで快適に 人気殺到

2025/05/14 (水) 16:30

出産した後にうつ症状が出る「産後うつ」は10人に1人が経験すると言われています。そのリスクを減らすため先月福岡市で新たな取り組みが始まりました。

取材班が密着したのは2人目を出産したばかりの尚子さん。

尚子さんが赤ちゃんを抱いて訪れたのは福岡市東区の海の中道にあるホテル「ザ・ルイガンズ.スパ&リゾート」出迎えたのは助産師です。生後3週間のさくくんを助産師に預け、尚子さんは1泊2日心と体を休めるための「産後ケア」をこのリゾートホテルで受けます。

助産師
「まずはゆっくりね。ご飯召し上がってきてください。ではお預かりしますね」

尚子さん、まずはホテルのビュッフェで昼食です。

尚子さん
「上の子がまだ1歳8カ月だから上の子のほうが大変で下の子を寝かせていても上の子のお世話でご飯食べられないから久々にゆっくりご飯が食べられています」

昼食の後、部屋に移動。

「眺めがすごいですね。眺めがいい」

見晴らしのいい部屋で体と心をいやします。尚子さんは、第1子を出産後産後うつのような症状を経験したといいます。

「里帰りから帰ってきてから1カ月ぐらい記憶になくてお宮参りの写真はちゃんと笑っていないなと思うぐらい切羽詰まっていて、どよんとしていたんだろうなと思います。外の世界を久しぶりに味わえてリフレッシュできました」

尚子さん、午後はホテルの周辺をゆっくりと散歩。

その間さくくんは入浴のケアを受けていました。

この産後ケアは福岡市が進める事業で、「宿泊型」「訪問型」「通所型」の3つがあります。このうち「宿泊型」はこれまで病院や助産院など医療機関に限られていました。ホテルを利用できるよう制度変更を後押ししたのが、産後ケアに長年取り組んでいる真田産婦人科の理事長です。

理事長
「お産の数が多いと部屋が空いていなくて希望されても受けられない、供給が常に不安定でした。ホテルで産後ケアをする大切さ・必要性を福岡市に訴えて、ご理解をいただきました」

福岡市はこれまで医療機関に限っていた産後ケアの場所を今年度から拡大。その第1号としてザ・ルイガンズに真田産婦人科が専用の施設を先月オープンさせました。利用できるのは市内に住む生後4カ月未満の赤ちゃんと母親。1泊2日6000円で専門的なケアを受けることができます。全国でも産後ケア事業は進められていますが民間で同様のサービスを受けると1泊2万円から10万円程度かかることもあり利用率は1割ほどにとどまっています。

尚子さん
「ホテルと連携しているからホテルに行っている気持ち。産婦人科だと病院の入院中みたいな感じで来るよりもこっちの方が楽しいかな」

かつて産後ケアは「支援が必要な人のための制度」でしたがその対象は大きく広がっていると産婦人科の理事長は話します。

理事長
「お母さんが休みたい休息がほしい、ケアをうけたいという風に希望したらどなたでもうけていいんだという風に対象が変わりました」

さて、午後6時尚子さんの部屋に夕食が運ばれてきました。メンイはイベリコ豚塩麹マリネのグリルサラダ。栄養・ボリューム満点です。尚子さん「おいしいです」この産後ケアには課題も。福岡市で双子を育てている牛島さん。2人以上の子どもを育てる多胎育児の支援団体代表も務めています。

牛島さん
「子どもたちが順番に泣き続けていて気付けば5時間たっていて日が暮れて暗くなっているけれど電気をつけるために立ち上がる気力もないし、ずっと泣き続ける2人をだっこして自分も泣けてきました」

牛島さんにルイガンズでの産後ケアの様子を見てもらうと。

「わぁ。すてきですね」

こちらの産後ケアの受け入れは1日に赤ちゃん3人まで。6月までの予約はすでに埋まっています。

「多胎の予約っていうフォームはあるが埋まっているのが現状でこれは全施設に言えることなので、助成がなくても使いたいママは一定数いると思うので民間サービスとしても広がっていったらいいなと思うし、行政の補助が入ることで利用しやすいママたちがさらに増えていけばいいなと思います」

「特別な支援」から「身近な選択肢」へと変わるために産後ケアのさらなる充実が求められています。

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