福岡県内で田植えシーズンがスタート 秋の新米にコメ不足解消の期待

2025/05/13 (火) 16:30

価格高騰が続く「コメ」の話題です。農林水産省が5月12日に発表した平均店頭価格は、18週ぶりに値下がりしたものの下げ幅は小さく、小売店では依然として高値・品薄の状態が続いています。そんな中、福岡県内でも田植えシーズンがスタート。秋の新米にコメ不足解消の期待がかかりますが、2025年の生産現場に変化はあるのでしょうか。

採れたての野菜に、新鮮で上質なお肉、漁港直送の魚も。多彩な食材が並ぶのは、築上町にある農産物直売所。

記者
「いろんな食材がある直売所ですが、コメに関しては購入制限がかけられています」

売り場には「1家族1袋まで」と書かれてあります。

JA福岡京築 出口真輔さん
「2025年1月ごろから購入制限をかけています。(コメを)行き渡せらることができていない状況です」

本来、農産物が多く集まる「直売所」ですら購入制限。

「10年単位で見ても(この状況は)なかったです」
「客からも農協にコメがないのは信じられないという声も聞きます。異常事態と強く思います」

築上町や隣接する行橋市などの京築エリアは、福岡県内有数のコメの生産地。「福岡屈指のコメどころ」でさえコメ不足に悩まされているのです。5月12日に発表された全国の5キロ当たりのコメの平均価格は4214円。「18週ぶりの値下がり」となった一方で、その値下げ額はわずか19円。前の年の同じ時期と比べ2倍以上の高値です。新米シーズンにはコメ不足は解消するのか。県内では各地で田植えがスタートしています。

コメ農家 北代光さん
Q.2025年の田植えはどうですか?
「今のところ順調、バッチリです」

2024年は猛暑で過去に類を見ないほどの不作だったといいます。

「実がつかなかったり、高温障害でコメが白くなったりしました」

北代さんの田んぼでは2024年、実らないコメなどが2割ほど発生。これは、例年の4倍にも及ぶ被害です。「京築エリア全体」でもコメの収穫量は同じく2割ほど減少しました。暑さ対策のため、2025年は例年より1週間ほど早く田植えを開始。水温を一定に保つため水を頻繁に入れ替えています。また、コメ不足を受け、家畜の餌にするコメの生産を減らし主食用の生産を増やしたほか、これまで他の作物を作っていた田畑をコメ生産に充てることで生産量を5割増やす計画です。ただ、悩みの種は尽きません。

「(肥料などが)2、3年前から倍ぐらいになっています。正直言ってかなりきついです」

ここ数年で肥料代は2倍、田植機などの機械の燃料代は1.5倍に。生産者はコメ高騰の恩恵はほぼ受けられておらず、取り巻く環境は厳しくなるばかりですが。

「(コメが)多く取れたり、売ったお米がおいしかったよと言われたらやっぱりやりがいがあります」

この日の田植え分は順調にいけば9月ごろに収穫できる見込みとのことです。待望の「新米」は「令和のコメ騒動」に終止符を打てるのでしょうか。

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