オンラインカジノの恐怖 ギャンブル依存症元患者と専門家が指摘

2025/05/14 (水) 16:30

5月14日 午前7時半のJR博多駅。

「おはようございます。ギャンブル依存症の啓発週間です」

オンラインカジノに対する注意喚起のチラシを配っているのは全国でギャンブル依存症の人の支援に取り組むNPO法人。5月14日からの「ギャンブル等依存症啓発週間」に合わせて全国18カ所の街頭で呼び掛けました。息子がギャンブル依存症になった経験を持つ村田さん。オンラインカジノに対する危機感が日々高まっているといいます。

全国ギャンブル依存症家族の会 村田麿美さん
「オンラインカジノのハードルが低いことにより、どんどんはまっていく、闇バイトに流れていく大きな問題も現状を知っています。社会全体で考えてほしいです」

こちらはギャンブル依存症の人の家族を対象にしたアンケートです。2019年以降オンラインカジノをしている人の方が、していない人に比べ借金額が年々増加していることが分かります。

ギャンブル依存症だった たくやさん(仮名)・30代
「次の日の返済を考えないといけないです。闇金に借金をしていたら、寝るに寝られない時間で、オンラインカジノは本当に便利でした。24時間やっているし、早い時間で大量のお金を得ることができます」

18歳からパチンコにのめり込み、結婚後も借金を繰り返していたというたくやさん。自己破産してもギャンブルをやめられず、5年前、妻と離婚しました。ギャンブル依存症の更生施設と出会う2年前までに膨らみ続けた借金は約1000万円です。
その借金を返そうと行き着いたのが「オンラインカジノ」でした。

ギャンブル依存症だった たくやさん(仮名)・30代
「あの頃の自分だったら今どれだけ違法と騒がれていても、(オンラインカジノに)手は出している。置かれている状況としては。ワラにもすがる思いだった。350万円を3日で溶かしたこともある」

こんな自分を変えたい。そう思ったときにギャンブル依存症の人を支援する団体と出会い、2年の治療期間を経て現在は仕事に復帰しています。

ギャンブル依存症だった たくやさん(仮名)・30代
「まず病気を認めることです。(ギャンブルを)止めたいと思うか思わないか。止めたいなら早く、助けて下さい!と言ってほしいです」

静岡大学 名誉教授 鳥畑与一さん
「オンラインギャンブル、海外では24時間365日、ポケットの中のカジノと呼ばれています」

無料版を入り口にして若者を中心に広まったオンラインギャンブル。後払いできる仕組みもあり、ある調査ではオンラインカジノを始めて1週間以内に3割の人が借金をしたと回答しています。専門家は、進化する人工知能=AIが依存性を高めていることに警鐘を鳴らします。

静岡大学 名誉教授 鳥畑与一さん
「ギャンブルの勝率の勝率の調整も可能になっていて、初心者には最初に勝たせて夢中にさせます。タイミングよくボーナスをプレゼントします。快感をたっぷり味あわせながら、最終的には依存状態に誘導して大負けに追い込んでいく仕組みが洗礼されていっています」

対面式のギャンブルに比べ、依存率が3倍にもなるというオンラインギャンブル。政府は規制強化に向けた法改正を急いでいて、改正案にはオンラインカジノサイトの開設や誘導を禁止することなどが盛り込まれています。これに対し専門家は、日本では「違法」であることを海外へ明確に主張することが急務だと話します。

静岡大学 名誉教授 鳥畑与一さん
「日本でオンラインギャンブルを明確に違法だとする立法をつくって、日本では違法だと明確にして海外の監督当局にアナウンスをする、対応を要請することはとっても大切で有効性があります」

この記事をシェア

最新のニュース

  • テレQ|テレQ ニュースPLUS
  • テレQ投稿BOX
  • アナウンサーズ公式Xはこちら
  • テレビ東京|[WBS]ワールドビジネスサテライト
  • テレビ東京|Newsモーニングサテライト
  • テレビ東京|昼サテ
  • テレビ東京|ゆうがたサテライト