合同研修・FA制度!?若手社員の定着へ工夫 福岡の企業では

2025/09/18 (木) 14:30

今、企業の重要課題となっているのが人材確保。特に次世代を担う若手が離職しないように、福岡の企業もさまざまな取り組みをしています。

ジンジブ 中村由佳莉さん
「企業に求められる人は大きく分けて2つ。貢献度が高い人材と希少価値が高い人材です。皆さんは新卒なので貢献度が高い人材です」

就職支援サービスを手がける企業が、全国の主な都市で2025年4月から2026年3月まで月1回開いている研修。福岡の会場では、13社から23人が参加しいずれも春に高校を卒業した若者です。内容は、先輩への質問の仕方、入社後3年間の仕事の向き合い方などさまざまです。そんな研修の狙いは。

「高卒新入社員は大学生に比べてアルバイト経験がなく、社会人として必要な情報や経験値が低いです。それが離職の原因の一つともいわれています」

新卒者の1年未満の離職率は、大卒が10.9%、一方で高卒は17.4%。インターンシップやアルバイトを通した、仕事を知る機会の少なさが背景にあるとされています。また、特に中小企業は採用する人数が少なく若手が孤独を感じやすいことも離職の要因の一つ。この研修に参加する社員もいわば「社外同期」との研修に手応えを感じているようです。

橋本虎汰さん(18)
「最初は緊張していたが、みんなが支えてくれて意見をいえるようになりました」

橋本虎汰さん、彼の職場を訪ねました。橋本さんは、建築用金属製品の製造や取り付けをする北九州市の企業に勤務しています。

新入社員 橋本虎汰さん(18)
「最初の頃よりはできるようになったと思います。今は現場に入っています」

ものづくりへの興味から入社し、当初はデスクワークが中心でしたが、今週から現場に入り作業員の補助をしています。橋本さんを指導するのは社長の梶原さんです。

藤田金属 梶原輝翔社長
「伸びしろしかないです」

現在の社員6人は家族や親族が中心。創業から60年で、新卒者を採用するのは今回が初めてでした。梶原社長が同業者を訪問した際、若手の社員が働く姿を目にしたことがきっかけでした。

「若返りを図りたいです。建設業は年齢層が高いです。10代・20代は伸びしろがあります積極的に採用して育てていきたいです」

橋本さん
「今は職人みたいに作れませんが、(いつか)作れるようになりたいです」

育成はまだ手探り状態ということですが、会社の将来を見据えてルーキーの成長を後押ししています。

一方、若手の離職を防ぐため、新たな戦略を打つ企業も。とりかわが人気の「竹乃屋」など飲食チェーンを運営する「タケノ」です。2026年春に卒業予定の高校生の就職活動が9月から本格化し、タケノにも応募書類が届き始めています。2026年春の採用から導入する制度が…

タケノ 濱田稔男取締役
「3年間きっちり勤務してもらえれば当社の幹部候補生としてキャリアをスタートします。他社に転職する人には150万円を支給します」

3年間働けば進路を選べる「FA(フリーエージェント)制度」です。この制度を選んだ高卒の新入社員は、契約社員として採用。3年後に転職や進学を希望する場合、学費や引っ越し費用の助成金として150万円を支給します。会社に残留した場合、支援金はありませんが、契約社員から正社員に登用し、店長やマネージャーの候補として、給与もアップします。

タケノにとって高卒の新卒者は採用の8割以上を占める大きな戦力です。これまでも 定期的な面談や具体的な目標設定など若手社員のサポートをしてきましたが…

「どうしても飲食業になるので、深夜の帰宅があります。そういったところでミスマッチにつながり、離職する」

新卒者の3年以内の離職率は4割にのぼり、定着に苦戦しています。人事の責任者は、まず3年働いて、次のステップを見定めてほしいと話します。

「石の上にも3年とよく言うが、3年たたないと面白みを感じられない部分があると思います」

人手不足、そして転職のチャンスも増えた現代。企業は、若手の不安を解消し数年先の目標ややりがいを共に見いだすことが求められているようです。

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