ふるさと納税に駆け込み需要 制度改正で除外される業種も

2025/09/11 (木) 16:30

生まれ故郷や応援したい自治体に税金を納める代わりに返礼品を受け取る、ふるさと納税。支払った住民税や所得税が控除され実質2000円の負担で特産品などを受け取れるとあって利用者は1000万人を超えています。例年、年末に注文が増えますが実はいま駆け込み需要で申請者が増加しています。

ふるさと納税について街の人に聞いてみると。

街の人
「基本、定期便を頼むようにしていて、コメや野菜が多いです」
「北海道のホタテとか宮崎のお肉とかです」
「9月(いっぱい)でポイントがなくなるのでね。おもしろくない。それがメリットだったので」

ふるさと納税を利用したときに大手のサイトなどで付与されていたポイント。10月からもらえなくなるのです。

「(Q.ポイントが(10月から)なくなるのは知っていますか)知っています。なので今月までに全部やりきるつもりです。(ポイントは)大きい。なくさないでほしいです」
「(ポイントがなくなるのは)家計的にマイナスです。今年は早めにします」

こちらは県内で寄付額トップ5に入る大野城市。ふるさと納税を担当する部署はいま大忙しです。

大野城市 プロモーション推進課 岸川達哉さん
「ポイントがなくなるという寄付者の考えもあり、大野城市としても駆け込み需要がまさに起きています」

画面に映っているのは大野城市がまとめた月ごとの寄付額の推移。

「青色が今年で(先月は)去年の3倍きています」

8月に申し込まれた寄付の総額は1年前と比べて約3倍。9月も駆け込み需要で5倍になると見込んでいます。大野城市では2024年度ふるさと納税により、税収が約11億円増えていて、2学期に始まった給食費の無償化など市民生活の向上に充てられています。どんな返礼品が人気なのでしょうか?

「一番人気のめんたいこや、大野城市でしか購入できないもつ鍋です」

上位には福岡の名産品が入りますが地元肉店の「味付け肉セット」やコーヒー店の豆など大野城市ならではのラインナップが並びます。

こちらは大人気、県内で7店舗展開する大野城市発祥の豚まん「太平閣」です。福岡のまちで40年以上愛され続ける豚まん。良質の小麦で作ったもちもちの皮と肉汁たっぷりのあんの組み合わせは絶品!

太平閣 崔知美店長
「駆け込み需要で、注文がたくさん入っています。去年に比べてだいたい2倍ほどです」

7年前に始めたという、ふるさと納税の返礼品。通常の販売をしながら全国のファンからの注文をさばいています。駆け込み需要を追い風に大野城の名物をぜひ一度手にしてほしいといいます。

「ふるさと納税を通じて、全国のみなさまに大野城市のうちの豚まんを知ってもらえてうれしいというのが率直な感想です」

一方こちらは大野城市に本社を構えるクリーニング店。ここにも少し意外なふるさと納税の返礼品が。

エルゼ 野田雅美取締役
「(Q.どんなサービスですか)ふるさと納税で客からきたクリーニング(衣類)を仕上げてパッケージにして客に返すサービスをしています」

2年前に始めたという宅配クリーニングの返礼品。注文が入ると専用の袋が届き洗いたい衣類10点を入れて発送します。寄付金額は5万5000円です。

「これは福岡市で〜、こっちは東京の文京区からですね」

宮崎から注文が入ったドレス。ひとつひとつ丁寧にチェックし畳んで箱に詰めます。特に多いのがコートやダウンジャケットといった冬物の衣類。最大1年、保管することもできます。ふるさと納税をきっかけにリピーターも増え、2025年は300件以上の注文が来ています。こちらも駆け込み需要で大忙しと思いきや。

「今年の10月をもって政府から宅配クリーニングはふるさと納税から外すといわれ、正直伸びていたのでショックを受けています」

国は10月、ルールを改定。大手サイトのポイント付与禁止だけでなく、地域との関連性が薄いサービスについて返礼品として認めないとしました。認められるものは例えば、花火大会の観覧や美術館や博物館への入場、墓の清掃サービス。

一方で、全国展開の飲食店や美容室、そして 今回のような宅配クリーニングは除外するとしています。県外の客への新たなアプローチだったふるさと納税をきっかけにリピーターとなった客が途切れてしまわないか不安だといいます。

「私たちは大野城市でずっと何十年もここの土地でやっていて、なんで宅配(クリーニング)が切られるのか意味が分からないです。(ふるさと納税がなくなっても)伸ばすために春前までに準備でバタバタです」

ふるさと納税に詳しい専門家は。

法政大学 経営戦略学科 平田英明教授
「総務省は毎年この返礼品はいい悪いという微調整をしています。急に外されてしまうリスクはある意味仕方ないと言う感じで対応せざるを得ない(Q.来年もルール変更、寄り除外業者が増えると思うが)一番大きいと言われているのが、いろいろな細かい経費について情報を公開しないといけない。返礼品の規格を過度に細かく決めるというのは、市場に冷や水を浴びせる(勢いを失う)という効果も正直あるのかなと正直思いますね」

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